2017年12月23日土曜日

「ジャパンライフ被害対策110番」12月25日、中部弁護団 + 神奈川弁護団発足

ジャパンライフ被害対策中部弁護団(杉浦英樹団長)1225日、「ジャパンライフ被害対策110番」を実施する。3回線で、弁護士11人が無料で電話相談に応じる。12月以降、ジャパンライフからの返金が行われていないという事例が、多く把握され、相談者は不安を抱えながら不安定な状況に陥っている。全国の消費生活センターなどに相談した人の平均契約金額は1860万円、最高額5億円(1215日時点)と高額で、その多くが70歳以上の高齢女性を占めているためだ。孤独や将来の金銭的な不安、健康への不安など心の隙間を巧妙についた勧誘が行われてきた。叱ったり責めたりは決してせず、家族や身近な人がしっかり寄り添って、身近な消費生活センターや警察、弁護団などに相談することを勧めたい。

叱ったり責めたりせず
家族がしっかり寄り添って相談を

 購入代金の年6%の見返りをうたって100万円から600万円もの磁気ネックレスや磁気ベストなどを販売してきた「ジャパンライフ」(東京都千代田区)。消費者庁から4度目の行政処分を受けてもなお、『リース債権譲渡販売』として同様の取引を続けてきた。セミナーでリース債権譲渡販売の説明をされ、その日のうちに契約してしまった事例を同弁護団は把握している。被害の拡大が止まらないことから1220日、同弁護団は、同社と経営者親子を愛知県警に刑事告発した。

1222日には、倒産情報誌TSR(東京商工リサーチ)が、1212日にジャパンライフが本社不動産を売却し、娘の山口ひろみ社長が15日付で取締役(会長は父親の山口隆祥氏で、2人で代表取締役を務めていた)を辞任していたことを報じた。さらに、1221日午後になり、ジャパンライフと連絡が取れなくなった。22日朝には同社と取引していた取引先からも「連絡が取れない」という問い合わせが急増し、債権者10人が本社にたたずんでいたなどの取材ルポがネット上に流れたことで、一気に緊迫した状況になっている。
TSRは、本社不動産の売却先は、千代田区の不動産会社とし、「根抵当権の極度額は当初の12億円から今年630日に6億円に変更されたばかりだった」とも報じている。

消費者庁は、同社が破綻した場合の想定被害額をこれまでも明らかにしてこなかったが、消費者庁が指導をして911日付で同社から顧客に通知された文書では、2016年度末時点の純資産額は約338億円の赤字、契約残高は1843億円、預託者の数は20177月時点で6855人としていた。
豊田商事や安愚楽牧場の破綻で、甚大な被害が出た預託商法は、破綻するまで被害が顕在化しにくいという大きな特徴があり、恐ろしい点でもある。

これまで記事を書き続けてきたが、残念ながら、12月に入ってからは、消費者への返金が滞っている。消費生活センターでの返金交渉は困難と思われるが、解約の意思表示をすることをあきらめず、これまでの契約内容を整理する上でも、まずは身近な消費生活センターに相談することを勧めたい。

そして、解約に応じてもらえなかった場合は、警察ジャパンライフ被害対策弁護団に相談しよう。現時点では、中部と神奈川弁護団の2つだが、全国各地で立ち上げの検討が進んでいる。

被害財産の散逸を防止するための仮差押えや、消費者被害の集団的被害回復訴訟を提起できる特定適格消費者団体「消費者機構日本」にも、その情報を伝えてほしい。

◇最寄りの消費生活センター 「188

◇ジャパンライフ被害対策中部弁護団の「110番」
12月25日(月)10時~16
0564-64-1880
 弁護団の事務局は、☎0566-73-0770 
https://japanlifehigai-chubu.amebaownd.com/

◇特定適格消費者団体「消費者機構日本」
情報提供は、当機構ウェブサイトへの書き込み http://www.coj.gr.jp/consumers/higai.html 
☎03-5212-3066 ファックス03-5216-6077

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジャパンライフ被害対策神奈川弁護団発足
「資産隠しは犯罪になることを警告せよ」
 
 ジャパンライフ被害対策神奈川弁護団(石戸谷豊弁護団長)1220日、発足した。ジャパンライフ被害者の救済、被害の拡大防止のための活動に取り組む。
 石戸谷豊弁護団長は、「消費者庁は、資産隠しは犯罪になることを警告するとともに、預託法・特商法の指示処分は返金措置を含め広範囲な内容が可能となっているため、この指示処分を活用すべきだ」と話している。

ジャパンライフには横浜店があり、神奈川県内でも営業活動を展開してきた。被害者の多くが高齢者で、よく理解しないまま契約している人がほとんどと考えられ、被害が顕在化しにくい状況があることから、神奈川県弁護士会の有志らが弁護団を組織した。ジャパンライフ被害対策中部弁護団とともに、全国各県での弁護団の立ち上げを働きかけ、連携して活動していく方針だ。

石戸谷弁護団長は、「預託法は、豊田商事のような事件の再発防止を掲げて立法されたが、安愚楽牧場、ジャパンライフと大型の消費者被害を続発させており、被害防止のためには根本的に見直しが必要」とも指摘している。
 
 石戸谷豊弁護団長 港共同法律事務所 ☎045-212-3517

「東京投資被害弁護士研究会」でもジャパンライフの相談窓口が設置されている

 ☎03-3556-3607(相談受付窓口:佐藤千弥弁護士)

0 件のコメント:

コメントを投稿