マヨネーズ、オムレツ、目玉焼き、かに玉、オムライス、親子丼、卵黄、卵白に「卵」
パン、うどんに「小麦」
醤油、味噌、豆腐、油揚げ、厚揚げ、豆乳、納豆に「大豆」
食品表示法のアレルギー表示新基準は、「特定加工食品とその拡大表記を廃止する」ことを6月5日、消費者委員会食品表示部会の下に設置された加工食品表示調査会が了承した。
これまで、省略することが認められてきた上記のような表示が必要になる。
※「特定加工食品」とは、
アレルゲンを含んでいることが予測できる加工食品。
アレルギー表示を省略し、加工食品そのものの名前で表記できることとされてきた。
2001年、加工食品へアレルギー表示を義務付けるときに、
患者が必要とする個別表記(それぞれの原材料ごとにアレルゲンを書く表記法)を求め るために、代替表記と併せてその仕組みが整備された。
限られた表示スペースにおさまるよう文字数を減らすために、
患者団体や消費者、事業者団 体のアンケート調査に基づいて決定された。
例えば、卵の場合
代替表記 「たまご」「玉子」「タマゴ」「エッグ」
「鶏卵」「あひる卵」「うずら卵」 →維持
代替表記の拡大表記
表記例 「厚焼玉子」「ハムエッグ」「卵黄」「卵白」
→維持し、卵の「卵黄」と「卵白」のみ廃止
特定加工食品 「マヨネーズ」「オムレツ」「目玉焼き」「カニ玉」「オムライス」
「親子丼」 →廃止
特定加工食品の拡大表記
表記例 上記を含む「チーズオムレツ」「からしマヨネーズ」など
→廃止
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マヨネーズに卵が使われていることを知らず、娘にコンビニのツナマヨおにぎりを食べ させ発症した
などの報告事例が、消費者庁の事故情報データバンクに2例登録されていた。
マヨネーズは、業界団体から卵を含まないマヨネーズは販売されないとして要望が出さ れ、認められた経緯があった。JAS法の品質表示基準は「卵黄か全卵を使ったも の」でなければマヨネーズと表示できないこととされてきた。
食物アレルギーで病院を受診すれば、必ず栄養指導があり周知されるはずだが、知らな い患者がいた。
「常識に頼る表示はやめてほしい」「子どもに分かる表示をしてほしい」との意見が一 部患者団体から寄せられた。
確かに、マヨネーズに卵が入っていることを知らない人がいるのであれば
マヨネーズに「卵」と書いた方がいい。
しかし、果たしてすべてを廃止する必要があるのか。
患者が必要としている「個別表示」から「一括表示」に流れ、
推奨表示がされなくなる恐れがある。
現在 義務表示は、卵、小麦、乳、そば、落花生など7品目
推奨表示は、大豆、ゴマ、イカ、豚、カシューナッツなど20品目
推奨表示の「大豆」を表示する場合
特定家江食品は、「醤油」「味噌」「豆腐」「油揚げ」「厚揚げ」「豆乳」「納豆」
原材料に使われるものが多い。
特定加工食品の拡大表記は、
表記例 「麻婆豆腐」「納豆巻き」「豆乳ケーキ」「豆腐ハンバーグ」
「凍豆腐」「いりとうふ」など
さまざまなものに表示が必要になる。
アレルギー表示は、一つ間違えば回収が必要になり、そのためには莫大な費用がかかる。
果たして、事業者は、個別表示、推奨表示を実施してくれるのか。
事業者団体や事業者へのヒアリング、調査が全くない。
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醤油の「小麦」と同じ事故が、今度は「大豆」でも起きる可能性が高い
醤油に含まれる「小麦」や「大豆」はアミノ酸まで分解されているためアレルギー患 者でも食べられる人が多い。一括表示欄に表記された「小麦」を「醤油の小麦」と思 って食べ、「調味料や香辛料などに含まれた小麦」で発症した例が患者団体に多く報 告されている。
これと同じことが今度は「大豆」でも起きることが想像に固くない。
個別表記でも、同じアレルゲンが繰り返し出てきた場合は省略することが認められて いるが、これらへのしかるべき対応策をまず、講じる必要がある。
一見、子どもが見ても分かる表示は、消費者目線に沿った見直しに見える。
しかし、本来アレルギー表示をどの方向で改善していくべきなのか。
「今の表示を頼りに日々食品を選んでいる患者の視点が全くない」
将来目指すべき課題が、何ら提示されていない。
過去に取材した経験から課題を抽出すると、本来目指すべき方向は以下ではないか と考える。
① 推奨表示を、一つでも多く義務表示に移行する。
なぜなら、対応されていないので書かれていないのか。
対応されて含まれていないのか、分からない。
個人的には、最近の事故事例が報告されていない品目は推奨表示から除 外し、すべてを義務に昇格させるのが望ましいと考える。
② 現在の食品衛生法、食品表示法の、外食・中食の適用除外を撤廃する。
食物アレルギー情報の外食・中食への義務化を目指す。
なぜなら、対面で聞いて分かることが前提に適用除外にされたが
義務化しなければ、聞いても分からない。
牛脂注入肉に、乳の強いアレルゲンであるカゼインナトリウム
が使われていたことが、ホテルや百貨店で相次いだ食材偽装問題で 発覚した。容器包装にはきちんと書かれているにも関わらず、調理 する人が知らなかった。
アレルギー表示が加工食品に義務付けられる以前は、事業者に
聞いても分からないことが多かったが、2002年の義務付け以後
格段に改善された。
コショウに増量目的のそば粉が使われている事例があったが
コショウにそば粉が使われることはなくなり、商品が改善された。
アレルギー患者の割合が増えている。多くは小学校に入るまでに改 善されるが、それでも高校生、大学生、大人になってもアレルギー 症状が残る患者もいる。その人たちにとっては、外食や中食は夢や 憧れではなく、現実的に活用できなければやっていけない。
コンタミがあるからできないというのは、理由にならない。
現行のアレルギー表示同様、「この厨房では卵も調理しています」 で対応可。
この情報で、今も患者は選択できている。
③ 醤油の「小麦」で起こるような事故を防ぐ対策を義務として導入する。
調味料や香辛料など、目に見えないものに含まれるアレルゲンの
省略を禁止するなどの、施策を講じる。
大豆の特定加工食品やその拡大表記をすべて外す前に
「大豆」の推奨表示を義務表示とすべきと考える。
上記3つの施策を本気で目指す場合、特定加工食品やその拡大表記をこの段階で全 廃してしまうと、さらに実現が困難になる。
この意味からも、前進どころか後退する恐れの方が大きい。
高齢化に対応するため
少しでも文字を大きくする必要性が議論されている。
そんな中で、子どもが全員分かる表示を求め
本来目指すべき方向から、さらに遠ざかる結果にはならないのか危惧する。
アレルギー表示の見直しは、その表示をもっとも必要としている人のための見直 しであるべきではないか。
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次回の複合原材料の表記方法の見直し案も、患者団体から懸念の声が出ている。
全てをバラバラにして原材料を記載する案だが、 隠れていたものが見えてくる反面
アレルギー患者からすると
例えば、何に含まれている小麦か分からなくなる。
ミックス粉で発症したのか
何に含まれているアレルゲンで発症したか
事故が起きたときに原因をたどれなくなる。
例えば、市販の餃子を買ってきて
親はそのまま食べ、子どもは具だけを米粉の皮に包み変えて食べさせている家庭がある。
今は、皮と、具は、分けて原材料が書いているが、
複合原材料をバラバラに書かれてしまうと、皮にだけ小麦が使われているということは分からなくなる。
アレルギー患者からすると
例えば、何に含まれている小麦か分からなくなる。
ミックス粉で発症したのか
何に含まれているアレルゲンで発症したか
事故が起きたときに原因をたどれなくなる。
例えば、市販の餃子を買ってきて
親はそのまま食べ、子どもは具だけを米粉の皮に包み変えて食べさせている家庭がある。
今は、皮と、具は、分けて原材料が書いているが、
複合原材料をバラバラに書かれてしまうと、皮にだけ小麦が使われているということは分からなくなる。