2015年9月30日水曜日

訪販トラブル、1位は新聞。報道されない実態(特定商取引法見直し②)

新聞の訪販トラブル 主な相談事例

◇判断力が低下した90歳代男性に100歳を超える6年間の契約をさせ、解約を申し出ると景品の掃除機代約6万円を請求
(154月 近畿 90代男性)
◇認知症70歳代女性に5年間契約、解約申し出ると米20キログラム、洗剤セット3セットの景品返還請求
(155月 近畿 70代女性)
80歳代女性宅を新聞勧誘員が8カ月間に6回訪問、そのたびに半年から1年の新聞購読を8回、計6年分を契約
(154月 南関東80歳代女性)
◇断ったが「小学校に上がる子どもがいる」と無理やり契約書を書かされ、恐くなり契約
(153月 南関東 90歳代女性)
3カ月だけとしつこく迫られ契約したが、販売店は3年契約だと言い張っている。2紙の新聞代の負担が重い
(155月 南関東 80歳代女性)
◇何度も断ったが、2年先2年間の購読を勝手に契約書に記入し、控えを置いて行った
(155月 近畿 80歳男性)
◇認知症気味の父に契約させないように念を押していたが、2年後から2年間の契約をまたさせていた
 (144月 近畿 80歳代男性)
◇過去の購読のお礼だと玄関を開けさせ、景品を置いて契約書を書けと言い張る
(156月、九州北部、40歳代女性)


新聞の苦情相談件数の推移
新聞の相談全体    うち訪問販売  60歳以上の相談割合と相談者の平均年齢
05年度 12080件     10345件        35.6%    51
06年度 11637件     9758件        37%     52.1
07年度 11538件     9767件        41%     53.7
08年度 11379件     9591件        43.5%    55.2
09年度 12333件     10427件        45.8%     56.6
10年度 12640件     10790件        49.1%     58.5
11年度 12620件    10702件        52.4%     59.9
12年度 11766件     9949件        55.5%     61.7
13年度 12200件     10257件        57.9%    62.7
14年度 11907件     10048件        60.6%    64.3
                               (15618日時点で取材)


訪販トラブル1位 いまだ「新聞」


 訪問販売のトラブルの1位は、14年度も新聞だった。

 商品別では10年連続1位だ。
 苦情相談件数は1万件を超え、相談者の平均年齢も64歳を超えた。
 
 いまだに90歳代の高齢者に100歳を超える6年間もの長期契約をさせ、
 解約を求めると景品の掃除機代を請求するなどの悪質な勧誘が行われている。

日本新聞協会の認識
相談現場とかい離
 
  610日、特定商取引法を見直している消費者委員会特商法専門調査会のヒアリングで、

 日本新聞協会理事の山口寿一・読売新聞東京本社社長は、
「苦情に対し誠実に対応していて相当大きな様変わりがある」と発言。

 同協会販売委員会委員長の寺島則夫・毎日新聞東京本社販売局長も、
「新聞セールスインフォーメーションセンターへの営業マンの苦情はこの5年間で半減し、  新聞販売のイメージは様変わりしている」
「ガイドラインで業界としてしっかり対応している」と述べている。

しかし、これらの認識は、相談現場の受け止めとはかい離がある。

増田悦子委員(全国消費生活相談員協会専務理事)は「ガイドラインを示したが、目に見え   た効果がない。他社との内容の差で勝負すべきではないのか」と反論。

国民生活センターの丹野美絵子理事は、「ガイドライン制定後も相談件数は減っていな   い。契約期間が短く、景品の額も少なくなったが、未だに長期契約や解約申し出時の景   品返還請求は行われている。契約者が死亡したり入院した場合でも、家族がいる場合は   解約を拒否するケースが多数ある」。「自宅が知られているから怖いため契約した」と   いう声があると報告している。

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 日本新聞協会のガイドライン「守られていない」
 相談員の生の声にどう応えるのか

「テレビや布団、掃除機などの景品が、洗剤や米、カタログに変わっただけで、ガイドラインはほとんど守られていない」

「契約時に考慮されているとは思えず、契約者本人が申し出ても対応されない。センターが販売店とのあっせん交渉でガイドラインの存在を指摘すると配慮される程度。機能しているとは言えない」

「認知症の場合は解約に応じるが、それ以外は相変わらず契約を盾に強気。認知症でも診断がないと争いになることがある」

「勧誘員が辞めたので当時の事は分からない。マージンも返らないので簡単には解約できないと言われた」

「景品で誘って、数カ月交代で取ってもらう勧誘自体がおかしい」

「そもそも長期購読者を大事にすべき」

「日本新聞協会幹部が分かっていないとしたら、そのこと自体が問題。販売店が別会社で強制力があるのか」

「ヒアリング内容と相談現場の実態が全く異なる。特に高齢者への不招請勧誘はすさまじい」

「相談件数をわずかと判断した時点で、改善する気はないように受け止められる」
(日本新聞協会の提出文書で、新聞販売所は全国に約18000件あり、1販売所当たり1年間で0~1件と非常にわずかな相談件数になるとした点への意見)

20数年相談員をしてきたが、昔も今も新聞はずっと苦情相談件数が上位にあることをしっかり認識してほしい」

「トラブルのほとんどは全国紙。景品で誘って3紙交代で取ってもらうことにプライドはないのか。乗り換えを勧めるのは業界にとってもよくない」

「紙面の内容で営業し、長期顧客を大切にすべき」

「字が読みにくくなった高齢者がいつやめてもいいではないか。期限の定めのない契約で何が不都合なのか」

「試売紙を入れて連絡があった人に取ってもらう勧誘方法でなぜだめなのか」

「日本人は面と向かってはっきり断りにくい。考えておくというのは断っているということではないのか」

 これら相談員の生の声に、どう応えるのか。10年以上苦情相談件数が減っていない現実に、まずは真摯に向き合い、自ら襟を正すべきではないのか。


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国民生活センターが138月に公表
日本新聞協会に改善要望

国民生活センターは13年8月、「12年先まで契約させ、解約を求めると景品でもらったテレビを買って返せと言われた」などの悪質な勧誘事例を公表。

日本新聞協会に対し
 高齢者の契約や長期契約、一定期間先から契約させる先付け契約の基準作成
 契約者が解約を望んだ場合(契約者の入院、死亡、失業、介護などの家庭の事情、加齢にともなう視力の衰えなどの場合)は、解約に応じるようルールを作ることを要望した。

この発表も、新聞各紙はほとんど報道していない。

日本新聞協会は同年11月、解約に応じる場合を整理したガイドラインを作成

 ガイドラインには、認知症など判断力が不足した状態で契約した場合は直ちに解約に応じること、新聞公正競争規約の上限(6カ月の購読料×8%、月額3925円の場合は1884)を超える景品を提供した場合は、返還請求してはならないことなどが盛り込まれている。
ただし、高齢者契約、長期契約、先付け契約の記述は見られない。 


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以下事例の詳細

90代高齢者に長期契約
解約に景品の掃除機代請求
 今年1月、近畿地方の90歳代の男性に、7月から6年間もの新聞購読を契約していたことが分かった。契約期間は100歳を超える。4月に息子が契約書の控えを見つけた。1人暮らしで病気を患い判断力が低下し、100歳を超える契約をしたことを本人は覚えていない。息子が販売店に解約を申し出たところ、「景品の掃除機は6万円ほどしたので6万円支払わなければ解約できない」と言われたという。
 4月には、同じく近畿地方の認知症の70歳代女性が5年間の契約をさせられている。認知症の診断を受けており、息子が解約を申し出たところ、渡した景品を返せと言われた。景品は、米20㎏、洗剤3セット。消費してしまったがどうしたらよいかという相談だ。

8か月間に契約書8
半年、1年契約で6年分
1枚の契約書の契約期間は1年以内だが、短期間の複数回契約で6年分の契約させている手口も出ている。
南関東地方の80歳代女性は、判断力が低下し認知症気味だ。新聞勧誘員が14年度の8か月間に6回訪問。そのたびに半年間、1年間の新聞購読を8回契約させていた。契約期間は、154月から20213月末までの6年間に及ぶ。

高齢者に無理やり契約
2紙配達で重い金銭負担
高齢者がしつこく勧誘されて、仕方なく契約し、余計な金銭負担を強いられている。
 2世帯住宅に住んでいる南関東地方の90歳代の女性は、昼間1人でいるときに新聞を執ように勧誘された。他紙を購読しているからと断わると「学校に上がる子どもがいる。契約してくれなかったらお金がもらえず困る」と言われ、さらに断っても無理やり契約書を書かされたという。販売店からの確認の電話にも「断ると怖い目に遭うのではないか」と思い、返事をしてしまった。二重配達になることを息子に叱られ、消費生活センターに電話している。
 南関東地方の80歳代女性は、3カ月だけとしつこく迫られ仕方なく契約したが、3カ月経っても新聞が配達される。2紙配達に妹が気づき、問い合わせたところ、販売店は、3年契約だと言い張っているという。洗剤を受け取ったものの、2紙の新聞代は負担が重いと訴えている。
 155月には、近畿地方の80歳代の男性から、「何度も断ったにもかかわらず販売員が勝手に2年先から2年間の朝刊の購読を契約書に記入し、控えを置いて行った」という相談も寄せられている。

購読お礼と玄関開けさせ
景品置いて 契約迫る
6月になって、九州北部からは、購読のお礼と玄関を開けさせ、執ように契約を迫ったという相談が入った。40歳代の主婦は、2年前まで購読していた販売店からあいさつにきたというので玄関を開けた。景品の洗剤やビールが余っているので配っていると言われたが、「そんなことをされても新聞は取らない」と断った。それでも今までのお礼なので重ねて言うので、「お礼なら」と応じると景品を玄関に置き、契約書を書けと言い張ったという。

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クーリング・オフは苦情

日本新聞協会が、1万件を超える苦情相談件数について、苦情の中身が明確でないとして「どう判断したものか苦慮している」(寺島販売委員会委員長)と述べた点にも、相談現場から疑問の声が上がっている。
同協会は、提出文書で「クーリング・オフ通知書の書き方を知りたい」といった事例は問い合わせに分類されるべきと主張。新聞販売所は全国に約18000件あり、1販売所当たり1年間で0~1件と非常にわずかな相談件数になるなどと分析している。
寄せられた相談は、現場の相談員が「苦情」か「問い合わせ」か判断して分類している。クーリング・オフについても、問題のある勧誘が行われたと客観的に考えられる場合は苦情とするルールだ。このため、クーリング・オフが一定数あれば、問題がある事業者であることが推定できると相談員は説明する。

2015年9月29日火曜日

特定商取引法改正に向けた中間整理(特定商取引法見直し内容一覧)

消費者委員会特商法専門調査会 中間整理 主な内容

特定商取引法2008年改正の5年後見直しが付則8条に規定されている。

内閣総理大臣の諮問(15年1月20日)
「施行状況を踏まえた購入者等の利益の保護および特定商取引の適正化を図るための規律のあり方」を検討

内閣府消費者委員会の下に特商法専門調査会(座長、後藤巻則・早稲田大学大学院法務研究科教授、15人)を設置。
3月から11回検討し8月25日、中間整理をまとめた。
議論が深まっていないとして、中間報告ではなく中間整理としている。

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【訪問販売・電話勧誘販売の勧誘規制】
 更なる検討を行い、一致点を目指して、議論を深める
  ・委員間で、立法による対応の必要性も含め、共通認識が形成されるには至っていない
  
  ・ただし、例えば、高齢者被害等の被害実態が確認されれば、被害を防止するための対応等を検討する必要性があるとの一定の共通の理解が得られつつある
  
  ・消費者トラブルの実態について精緻な分析、これまでの法規制の効果の検証を行った上で、立法による対応の必要性が共有されれば、規制を強化した場合の産業界への影響、法執行強化と規制強化との優先順位、バランスと実行可能性等の観点から更なる検討を行う
  
【事前参入規制】
 
 ◇導入について、適否も含め引き続き検討 
  ・制度の目的、対象事業者の範囲、制度設計について慎重に検討

指定権利制の見直し】(政令で指定された権利しか同法の対象にならない)
 
 ◇政令指定制を見直し、権利の売買を原則規制の対象とすべき
  ・「商品」「役務」「権利」の枠組みを維持することが現実的
・外国通貨の両替も特商法の規制対象とすべき
・適用除外は、適切な措置を講じることが必要

【電話勧誘に過量販売規制】
 
 ◇消費者に契約の解除を認める方向で、今後検討
  ・過量販売に当たる場合の要件等の明確化に留意

【美容医療を継続的役務提供に】
 
 ◇規制対象とすることに、肯定的な意見が多く出された
  ・今後、業界の実情を十分に踏まえつつ、更なる検討

【FAX広告規制の導入】
 
 ◇規制導入の必要性については合意
  ・既存顧客の連絡等に悪影響が生じることのないよう検討

【法執行の強化】
 
 ◇役員や役員と同等以上の従業員も業務停止命令の効力が及ぶよう今後検討
 ◇違反行為のノウハウを持つ従業員、委託先等の別法人、黒幕的第三者に実効的な対処ができるよう検討
 ◇都道府県の処分の効力を見直し、都道府県の意見も聞きながら、都道府県が判断を行う枠組み含め検討

【報告徴収・立入検査の強化】
 
 ◇法定刑の引き上げ、公表等一定の対応ができるような仕組みを検討
◇対象範囲(外部コンサルタント会社等)の見直しを検討
◇従業員名簿や取引関係書類の備え付け義務、必要に応じて検討が行われることを期待

【金融機関に虚偽申告唆す行為指示対象に】
 
 ◇金融機関に虚偽の申告唆す行為→指示対象として省令に規定すべき
 ◇金融機関に連れて行く→消費者が望まない場合は指示対象として省令で規定
 ◇クレジット、借入、預金引き出しを進める行為→引き続き検討

【訪問購入 商品券・金券との交換も対象に】
 ◇訪問購入で商品券や金券への交換
   ・特商法の規律を及ぼすことが可能→解約を明確化すべく検討を進め、
 結果が広く明らかにされることが必要
  ・いわゆる物々交換→引き続き苦情相談の状況を注視

【通販の規制検討課題】
 
 ◇虚偽・誇大広告への取消権→必要に応じ、更なる検討
 ◇インターネットモール事業者→特別な義務を課す必要があるような状況にない

 ◇アクワイアラーの表示義務→産構審割販小委員会の期待踏まえ、引き続き検討

【訪問販売 アポイントメントセールスの定義拡大を検討】
 
 ◇勧誘目的を告げない上で、住居訪問以外の場所での対面要請、SNSやSNS以外の広告等による要請を政令で追加規定するか
  →規制を及ぼすことが必要な取引とそれ以外の取引をどのように画するかの観点から、引き続き検討

特商法見直し 訪販・電話勧誘「お断り登録制度」が最大の論点(特定商取引法見直し①)

特定商取引法08年改正見直しの最大の論点は

訪問販売と電話勧誘「お断り登録制度」

しかし、事業者側と消費者側の意見が真っ向から対立している。


牛乳や新聞の宅配は必要で、規制する考えは持っていない
事前に試売品や試読紙、チラシなどを配付する場合も対象にしていない
まったく面識がない人への飛び込みセールスを問題にしている


「自宅をビジネスの場にしたくないという人の
意思表示を無視できるのか」

と、消費者側委員や、学識経験者の委員が主張している。

事業者側委員はこれに強硬に反対
立法事実に問題があると、指摘し続けている。

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08年改正で訪問販売にも再勧誘禁止規制(断った場合の勧誘継続禁止含む、電話勧誘当初から導入済み)が導入されたが、

訪問販売・電話勧誘ともに相談件数は減っていない。
9万件を超える。

高齢者の相談の15.5%を訪問販売、18.7%を電話勧誘販売が占めている。認知症などの高齢者ではその割合はそれぞれ39.3%22%ある。(中間整理から)

・事業者ヒアリングでは、ヒアリングの最中に委員が笑ったと
 読売新聞東京本社の社長が抗議文を提出。

・日本新聞協会までもが抗議文を提出。

・自民党では、異例の自民党内閣部会・消費者問題調査会の合同会議を開き、事業者団体8団体のみのヒアリングを実施。新聞懇話会に所属する議員を中心に、事業者の意見を支持する意見ばかりが出され、最後に賛成意見が1人も出なかったことを受け止めて検討するよう消費者庁に求める。


・担当課長が検討の最中に任期1年余で異例の異動
消費者団体から抗議文が出される。

など、検討状況は場外乱闘も含め、泥沼の様相を呈している。


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消費者委員会専門調査会の中間報告
  更なる検討を行い、一致点を目指して、議論を深める
   委員間で、立法による対応の必要性も含め、共通認識が形成されるには至っていない
  


●軽重問われた事業者ヒアリング

他の項目でも事業者ヒアリングが行われたが
この項目だけ、規制される側の事業者ヒアリング内容のみが中間整理に盛り込まれた。

原案を経済産業省がヒアリングに応じた事業者に確認して作成したことが検討会で明らかになった。

被害を受けている相談現場や裁判を担当する弁護士会、高齢者団体などのヒアリングは
行われていない。

訪販でもイベントで住所入手
事前に試供品を提供

イベントを開催して、住所や連絡先を教えた人しか訪問しない
試売品やチラシ、試読紙を事前に配る
訪販お断りシールが張っている家には訪問しない

と回答した事業者も少なくなかった。

しかし、これら委員からの質問に答えた内容は
中間整理のヒアリング内容には盛り込まれていない。

盛り込むことを求める意見が出されたが、
一部が委員の意見として盛り込まれたにすぎない。



盛り込まれなかった意識調査結果

消費者庁が同法を見直すために今年3月に実施したアンケート調査結果が、中間整理案には、盛り込まれていなかった。

消費者側委員が掲載を求め、契約してよかった、よかったと思う方が多いと回答した人が訪販で515%、電話勧誘で43.5%あることを併せて掲載する条件で、以下のみが盛り込まれた。

◇消費者の意識調査
(14年度消費者庁)
「勧誘全く受けたくない」
訪問販売   96.2
電話勧誘販売 96.4

ただし、以下は盛り込まれていない


「不招請勧誘原則禁止を」
訪問販売   76.2
電話勧誘販売 71.4

「契約したことを後悔する、後悔することが多い」
訪販をなかなか断ることができない人の62.5%
全く断ることができない人の66.7%

「断っても帰らない、断ってもまた来た」(再勧誘禁止規制が守られていない)
訪問販売で43%
電話勧誘販売で37%

高齢者の消費者被害が急増し
訪問販売と電話勧誘販売が温床になっている。


◇高齢者の消費生活被害の状況
14年度対09年度比)
65歳以上の相談件数   52.7%増
65歳~69歳      40.1%増
70歳~74歳      47.5%増
75歳~79歳      555%増
80歳~84歳      65.3%増
85歳以上        86.7%増
(高齢者人口増加率    13.8%増)

60歳以上の訪問販売相談件数(14年度)
        47253件 
訪問販売全体に占める割合 53
平均契約金額
60歳代   1858325
70歳代   1868300

60歳以上の電話勧誘相談件数(14年度)
        5万6916件 
電話勧誘全体に占める割合 63
平均契約金額
60歳代   2703762
70歳代   3586768

50歳まで 通販が最多
60歳代から訪販・電話勧誘の相談急増
70歳代 電話勧誘販が最多
認知症等高齢者 訪問販売が最多

一世帯の平均貯蓄額と持ち家率
60歳代の世帯  2271万円、94
70歳以上の世帯 2374万円、93.9
30歳未満の世帯  268万円、30.4

65歳以上の高齢化率 
2014年 26.1
2042年 高齢人口最多3878万人
2060年 4

※日本は、世界に例のない超高齢社会にすでに突入した。
 今後さらに進む高齢化に備え、インフラ整備に今取り組まなければならないのではないか。
 この数字を見て、考えてほしい。

さらに、消費者に自宅に来てほしくないと
勧誘を拒否する権利はないのかという問題もある。
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諸外国の規制

【訪問販売規制】

オーストラリア  ステッカーや掲示(Do Not knock)ある家庭への訪問販売を禁止
ルクセンブルグ  ステッカーや掲示がある家庭への訪問販売で
  締結した契約は無効、事業者に罰金命令
米国の自治体   登録された住居への訪問販売を禁止


【電話勧誘販売規制】

ドイツ、オーストリア、デンマーク

        原則禁止し、事前の同意や承諾がある場合を例外(オプトイン規制)

米、英、韓国、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、イタリア、ノルウェー、オランダ、ベルギー、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポールなど

        勧誘拒絶を登録した電話番号への電話勧誘を禁止(オプトアウト規制)
 
 我が国の取り組み
条例で勧誘拒否の意思表示をした消費者への勧誘を禁止している都道府県
北海道、秋田県、山形県、群馬県、千葉県、東京都、富山県、長野県、岐阜県、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、島根県、岡山県、宮崎県