2013年5月19日日曜日

米国クラスアクションとは、全く異なる

今国会に提出されている「消費者被害集団回復法案」は、

米国のクラスアクションとは、全く異なる。

どこがどう違うか。


◆内閣総理大臣が認定した「特定適格消費者団体」しか訴訟ができない

   ⇔クラスアクションは、被害者ならだれでも訴訟が起こせる

    「特定適格消費者団体」とは、
      
          この法案で新たに規定された。この訴訟が起こせる消費者団体の呼び名。
          
          ・「適格消費者団体」として、2年以上活動実績が必要
          
          ・新たな認定要件(理事の1人は弁護士、訴訟を担うに足る経理的基礎と業務規            定)もクリアする必要あり

      「適格消費者団体」とは        
          
          07年にスタートした「消費者団体訴訟制度」で、消費者に代わって悪質な勧誘行為          や消費者に一方的に不利な契約条項、うそつき表示などを差し止める訴訟ができ          る消費者団体。内閣総理大臣に認定されている。消費者からの情報をもとに
          事業者に改善を求める裁判外の差し止め活動もとても大事

          ・でも、現在、11団体しかない
              
                北海道  1      大阪  1       
                埼玉   1      兵庫  1
                東京   2      広島  1
                愛知   1      福岡  1
                京都   1      大分  1

                 正味財産が500万以下が過半数を占め、
                 120万円、159万円、243万円という団体もあるのが現状だ。
                 

          ・地域で救済活動をするには。47都道府県に1つはほしいと運動を進めてきたが、           なかなか認定要件をクリアできない

           金もなければ、人もいない。消費者被害の深刻さに、意気込みと熱い志のある
           弁護士や消費生活相談員や消費者団体の人たちが手弁当でやっているような           団体がほとんど。

◆損害賠償請求額は、上限が契約した商品やサービスの額になる
  いろんなものが対象から外されている。

 ⇔クラスアクションは、すべてが対象 + 損害額をはるかに超える懲罰的な賠償も対象

        日本のこの訴訟制度で対象にならないもの

        × 生命や身体に害がでた損害   食中毒とか、欠陥製品によるけがや入院など

        × 契約した商品・サービス以外の財産の損害   リコール製品で火災になった

        × 商品やサービスがあれば得るはずだった利益

        × 慰謝料(精神的な苦痛)

        × 個人情報の漏えい

        × 有価証券の虚偽記載


◆名乗り出た 消費者のみが対象になる

   ここが一番大きい。この訴訟制度やどんな裁判を起こしているか知ってもらう必要があるが
   そのための費用は、原則、貧乏な消費者団体が負担する規定だ

⇔ クラスアクション
     名乗りでた消費者のみが、対象から外れる


経済界の代表も入って検討する中で、いろいろなものが外れた

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さらに、自民党内の調整の過程で2つが後退している


◇ 施行は公布から2年としていた  ⇒  公布から3年にされた


◇ 施行前の被害に効力が及ばないこととした

   ← 経済団体が「遡及しないよう求めた」ことで譲歩した

しかし、本来は、もともとある消費者が持っている請求権を束ねるのだからあって当たり前の話

遡及と呼ぶこと自体おかしい。

新たに法律の付則に

「施行前に締結された請求への金銭の支払い義務には適用しない」規定が盛り込まれた。


貸金業法の改正に伴う過払い金返還で、被害の掘り起しが進むことを懸念する業界団体がかなり動いたと見られる。互助会を解約すると、満期が過ぎて何年もたっていても、高額な手数料を差し引かれる。そもそもこういう仕組みを認めた経済産業省の責任も大きいと思うが、おかしな話だ。

まあ、こういうものも過去に契約したものは対象外ということになる。




  
         
         
         

          

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