2016年8月7日日曜日

消費者庁徳島移転問題 河野元消費者相が試行結果公表を封印 消費者庁長官会見を中止させていた

8月1日に予定されていた消費者庁長官会見を、河野太郎元消費者担当相が中止させていたことが、独自の取材で分かった。7月に消費者庁が徳島県庁に一部業務移転した試行の結果を公表することとされていたが、「内容がネガティブだ」と公表を中止させ、内容の変更を指示していた。7月の試行にかかった費用は3000万円程度になると見られる。まずは、この試行の結果を、変更することなく、試行参加者や全市町村に行ったアンケート調査結果も含め詳細をすべて公表することを、松本純・新消費者担当相にはお願いをしたい。試行の結果、消費者庁等の移転が困難なことが浮き彫りになったというのが客観的事実ではないのか。移す業務はないと判断したのであれば、移転は断念し、検討の継続は中止すべき。国民生活センターの一部移転についても、合理的な理由を示すのは困難と考える。一部移転の撤回を求めたい

8月1日の長官会見を中止させていた
「試行結果、ネガティブな内容多い」

前回のブログでも紹介していたが、8114時から、板東久美子長官の会見が設定され、試行の結果が報告されることになっていた。

しかし、当日になって突然中止された。「急きょ取りやめ」の連絡が記者たちに届いたのは、1045分だった。

広報室は、「今後の方針について、7月29日に大臣が踏み込んで話をしたため、それ以上の内容がないため」と、説明していた。しかし、大臣会見は29日の午前10時半から行われた。同日16時に発出された8月1日の予定には、長官会見は入っていた。

 独自に取材したところ、河野消費者相が「ネガティブな内容が多い」と報告書の変更を求め、会見を中止させていたことを複数の人から確認できた。


まず、試行結果の詳細を変更することなく公表せよ


試行参加者のアンケート調査結果、全市町村へのアンケート調査結果もすべて公表せよ

大臣が自ら独断で試行を決定し、延べ43人に行わせた7月の業務移転に一体どれだけの費用がかかったのか。3月の神山町で10人が参加した一部移転、

そして、その結果何が明らかになったのか。当初から、移転による消費者行政全体にとってのメリットは示されないまま、テレワークによる働き方改革のみが強調された。

働き方改革以外、消費者行政が維持向上できるためのどのような結果を得たのか。
果たして、これほどの費用を使って試行すること自体が必要だったのか。

まずは、試行結果の詳細をすべて公表し、分析評価することが最低限、必要不可欠なことではないのか。国民の税金を使って行ったわけで、当たり前のことだ。

徳島県、大臣発言受け政策提言
「全面移転に向けた取り組み要望」

河野太郎元消費者相は7月29日の会見では、

徳島県庁内に「消費者行政新未来創造オフィス」(仮称)を創設し、3年後をメドに移転できる業務を見直す方針を示した。

この内容を徳島県が河野大臣発言をどう報告しているかHPから、一部抜粋する。

【徳島県に消費者庁の拠点を設置】
〇徳島県に消費者行政新未来創造オフィスともいうべき拠点を置く。
〇業務を徳島県に持っていってできないかと言われれば、できる。
〇テストをするためのテストはこれ以上やる必要はない。
 徳島県でさまざまな新しいことをするための拠点というものをまず設ける。
【国民生活センターの業務の徳島での実施】
〇研修も、東北や北海道から、今後、徳島県への航空路が開拓されれば行けるようになる
 〇商品テストも、今まではできなかったような先駆的なテストを徳島県でやるというのは、
  非常に意味 がある。
【徳島で実施する業務の拡大】
〇 例えば航空路をはじめ交通が整備されたらどうなるのか、あるいは、国会答弁、
 テレビ会議でもいいですよというふうになったらどうなるのか、霞が関の情報システムが
 さらに完備されたらどうなるのかという可能性はいろいろ残ってはいる。
〇 3年程度をめどに今後周りの環境を含め、どうなっているのかというのを見直していく
〇 消費者委員会については、拠点ができれば、徳島県でも消費者委員会の関係の会合を
 やるということも考えられる。

徳島県は大臣発言を受け、新オフィス創設のためのプロジェクトチームを設置

まち・ひと・しごと創生本部に働きかけるとして、
ホームページで政府来年度予算要求に向けた徳島県の政策提言を公表している。
その内容は以下


徳島発の政策提言
(新たなプロジェクトチームを作り、まち・ひと・しごと創生本部へ政策提言する)
    消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの新しい消費者行政の拠点を、徳島県に設けること(詳細5項目略)
    「消費者庁、消費者委員会、国民生活センター」の徳島移転の実現に向けた取り組みの強力な推進
 ・移転の第一歩となる、拠点設置に引き続き、地方への新しいひとの流れを生み出すため
消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの徳島への全面移転に向けた取り組みを進めること

対応するため、河野大臣は消費者庁にワーキングチーム
※河野消費者相は82日、徳島県に設置されたプロジェクトチームに対応するため、消費者庁次長をヘッドとするワーキングチームを設置すると表明


移転断念し、移転問題決着を


3年後に先送り 合理的理由見当たらず
統計局や観光庁も見直すのか


3年間先送りする理由は何か。


例えば航空路をはじめ交通が整備されたらどうなるのか、あるいは、国会答弁、
 テレビ会議でもいいですよというふうになったらどうなるのか、霞が関の情報システムが

 さらに完備されたらどうなるのかという可能性は残っている


のが、理由だとしたら、とても国会は乗り切れまい。

消費者団体や日本弁護士連合会は、テレビ会議システムが整備されても

消費者庁が作る法律をありがたくないと思っている産業育成省庁や
国会議員、業界団体などの説得は、できないと反対してきた。

その点については、試行すらしていないのに

なぜ、可能性として残っているのか。

3年で、全国から徳島に通いやすいように交通が整備される可能性がどれほどあるのか。

これを理由に
3年後に見直しを強いるのであれば
他の地自体から移転の提案があった統計局や観光庁、気象庁、中小企業庁も見直すのか
当然見直さなければ、筋が通らない。

国が国策として官公庁の地方移転を検討するのであれば
地方を総括する総務省や、移転の波及効果がおおきい経済産業省
農林水産省省、国交省などから、
国会にテレビ会議システムを導入して、立法が可能かを実証すべきではないのか。

あまりに論理がめちゃくちゃすぎる。
試行の結果について、政府基本方針にそって

消費者庁の維持向上が期待できるか
なぜ、徳島か、徳島県以外の都道府県の理解が得られるか等をきちんと評価すべき
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国民生活センターの研修、商品テスト一部移転、撤回を



国民生活センター研修
参加者6割が徳島県内 

  鳴門合同庁舎の研修参加者の内訳は以下
     
  参加者数 うち県外
1回目 68人 19人
2回目 39人 19人
3回目 17人 9人
4回目 20人 5人
5回目 48人 31人
6回目 31人 12人
合計 223人 95人

 57%が徳島県内の参加者 

   5回目は消費者行政管理職研修のため、視察も兼ねた県外からの参加者がおおかった
   と見られるが、
   参加者の地域は、限定されている。
   
   研修参加者、講師のほか、各地の消費生活センター含む全市町村に
   アンケート調査を実施している。アンケート結果をすべて公表せよ
  
   県内の研修であれば、徳島県がやればいい。

※過去20年、一度も国セン研修の地方開催要請せず

   国民生活センターでは、手を挙げた都道府県と共催で毎年10回、
  都道府県を支援するための講師派遣を年13回実施している。

  徳島県は、この20年間だだの1度も地方開催を要請していない。

  昨年度、都道府県の提案で共同開催された研修参加者の実績は
  大阪府145人、山口県117人、石川県99人、滋賀県96人、岡山県91人、
  北海道・札幌市73人、茨城県72人、長崎県62人、秋田県56人、神奈川県49人

※相模原事務所には、宿泊設備付きの研修等が完備されている

何度も書いてきたが、
そもそも、国民生活センター相模原事務所には、
講堂や研修室、談話室、食堂、教養娯楽室、図書資料館、簡易調理室などを
完備した宿泊施設がある。

※徳島県相談員の研修参加率、全国45位

消費者庁は、2014年1月に「地方強化作戦」と銘打ち、3つの政策目標を掲げた。
そのうちの1つが
国民生活センターが実施する相談員の研修参加率100%を実現するだ。

徳島県の2015年度の参加率は、69.8%
全国平均の89・9%


※試行の経緯があまりにし意的

 もともと、国民生活センター相模原事務所は、地方自治体からの移転提案締め切り時の2015年8月末には対象になっていなかった。

12月14日、徳島県を河野大臣が訪問したときの広報資料で突然、相模原事務所が対象になっていたことが判明。1月8日、東京を訪問した飯泉嘉門徳島県知事に、突然同事務所の研修と商品テストのお試しをすることを河野大臣が切り出した経緯がある。

このことは消費者庁、国民生活センター幹部すらだれも知らなかった。

8月末までに検討結果を出すこととされているが、研修は来年2月末まで行われることが既に決定済み

鳴門は不便だったので徳島県内の別の場所で開催するとしているが、そんな理屈が通るのか。

国民生活センターの研修を一部移転する合理的な理由など見当たらない。



商品テストの一部移転も撤回を

板東久美子消費者庁長官が、8月8日付で退任するが
最後の会見で、商品テストについての感想を聞いた。

商品テストは、
     やはり、いろいろな課題が生じているのは事実。商品テストは基本的にハードな不可をかけ、過酷な条件を課していくことで、例えば爆発したり、煙を出したり、火をふいたりする商品の状況をテストするわけで、通常の機能、性能を調べる試験施設などでは適さない部分が実際にある。保秘の問題がテストの場合も非常に重要。



※相模原事務所は、商品テスト棟3棟、家庭内自己分析棟等を完備


国民生活センター相模原事務所には、商品テスト棟3棟のほか、家庭内事故解析棟、自動車走行試験路(直線走行路・旋回試験路)、テスト用住宅などが完備され、消費者の生活実態に併せて機器や施設の改造を行いながらテストをしている。なぜ、借りてまで商品テストを徳島でする必要があるのか


※今までにできなかった先駆的なテストとは何か


民進党の部門会議で質問され、国民生活センターは

家庭内での使用実態調査などを挙げているが、
参加した議員から、相模原市でやれとの意見が出ていた。

まったくこれも合理的な理由が示せていない。


なぜ、この時期に長官交代


板東久美子消費者庁長官が退任
消費者政策課長も異動

8月8日付で、板東久美子長官が退任する。
責任者として、第1弾第2弾の試行にすべて参加し、その都度会見で答えてきた。

8月1日には、研修に参加した8課長を代表して会見に臨んでいた政策課長が既に移動している。

各省庁からの出向者が大半を占め、任期は原則2年とはいえ
なぜ、この問題が決着するまで異動を延ばすことすらしないのか。
疑問でしかない。


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以下追加しました。

民進党消費者・食品部門会議

「試行の結果、評価示せ」

民進党安全部門会議(座長、阿部知子ネクスト内閣府特命担当大臣)82日、消費者庁等徳島移転問題について、ヒアリングを行った。消費者庁が7月の試行で何を行ったか、徳島県に消費者行政新未来創造オフィスを設置する方針などしか説明しなかったことに対し、アンケート調査結果を含めた試行の結果と評価を、明確に示すよう強く要請した。

衆議院議員の後藤祐一氏は、国民生活センターの研修について「なぜ、2カ所でやる必要があるのか。コストがかかる。メリットは何か、全国はどういう評価をしたのか。宿泊施設を作るのか」と質問。
これに対し、消費者庁は「3回のうち1回を徳島でやる。参加者は近い方にいくので交通費が節約される。講師は同じ人が行こうとするとコストがかかる」と説明。宿泊施設については「3年後に見直しをするため恒久的な宿泊施設を作ることは考えていない」と回答した。
後藤氏は「日帰りで関西でやるのであれば、大阪で会議室を借りてやればいい」と反論。「この内容で、予算要求をするのか」と、憤りをあらわにした。
商品テストについては、「やれるものは持っていくというが、何をするのか」と質問。
国民生活センターは、実証フィールドを活用した家庭内での使用実態調査などを考えていることを明らかにした。後藤氏は「模原市で調査をすればいい。いろんな家庭が存在し、サンプル取りやすい。まったく説得力がない」と述べ、アンケート調査結果を含め試行の結果と評価を示すことを求めた。
「徳島である必要性ない」
「消費者行政の充実とかい離」
中根康浩副座長は「徳島でなければならない必要性感じない。無理やりやったから、何か残さなければならないということがある」と総括。予算要求するのであれば、詳細な資料を出すことを求めた。
阿部知子座長も、「消費者行政の充実の議論とはかけ離れている。皆さんもそう思って仕方なく分け取れるものをということだろうが、移転には不向き」との見解を示した。

国会審議の材料になるよう、試行の結果をメリット、デメリット、課題などに整理して示すことを求めた。

本村賢太郎氏が質問主意書

3年後の再検証必要なのか」


 民進党衆議院議員の本村賢太郎氏は81日、なぜ、3年後に再検証する必要があるのか、政府の見解を問う質問主意書を出した。併せて、「まち・ひと・しごと創生本部」に寄せられたほかの提案は再検証しないのかも問うている。

河野消費者相は徳島県での「お試し移転」で、交通アクセスの問題、国会対応、事務次官会議対応、危機管理、関係省庁共通のテレビ会議システムがないことなどを述べていたが、いずれも「お試し移転」前から指摘されていたこと。国会対応や事務次官会議等は試行すらされていないことからも、「お試し移転」を行う必要自体がなかったとして、政府の見解を求めた。


このほか、新たな機関を設置することは予算の肥大化につながるのではないか。消費者行政新未来創造オフィスを設置する合理的理由、7月のお試し移転にかかった経費についても明らかにすることを求めている。

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