消費者庁の徳島県神山町での「試行」が14日から4日間行われる。板東久美子長官ら職員10人が徳島県内の視察、テレビ会議を活用した事務打ち合わせ、東京で開催される会議出席、記者会見などを行う。3月10日に行われた民主党・維新の党統一会派消費者・食品安全合同部門会議のヒアリングで、滞在にかかる消費者庁側の経費は、事前準備も含め約114万円かかることが明らかにされた。参加した議員からは「楽しそうな旅行に見える」「100万円もかけて実施する必要があるのか」などの意見が出ている。
国の経費は約114万円
同日明らかにされた経費は、交通費約55万円、宿泊費約30万円、日当約4万円、施設利用料と警備員配置費等約10万円、事前準備費用(事前の現地視察2人分、交通費約12万円、宿泊費約2万円、日当約7000円)。総額113万7000円。このほか、消費者庁が持ち込む端末の通信費等がかかる。
神山町と県庁、東京を結ぶテレビ会議システム一式、執務のための備品などは徳島県が負担する。徳島県が負担する経費の額について、消費者庁は「詳細は把握していない」と回答した。徳島県では、今回の試行のための予算200万円を2015年度補正で措置している。
長官、広報室長ら職員10人が参加
板東久美子長官のほか、総務課広報室長、総務課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、消費者調査課、消費者安全課、表示対策課から課長補佐級以下の職員9人が参加する。当初予定より1人増えた。
徳島県内の視察、テレビ会議を活用した事務打ち合わせ、東京で開催される会議出席、記者会見などを行う。
次官連絡会議へのテレビ会議参加は見送り
毎週金曜日に官邸で開かれている次官連絡会議への長官のテレビ会議参加は、秘密保持への懸念があることから見送られた。帰京して通常通り長官が出席する。
日程の詳細は以下。
【14日】神山町の神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスからテレビ会議で徳島県知事と面会▽現地職員との打ち合わせ▽神山町長と面会▽テレビ会議で消費者庁職員と事務打ちあわせ▽鳴門合同庁舎視察▽鳴門教育大学学長と面会▽板野町消費生活相談所視察・町長と面会▽徳島県立城西高校視察
【15日】徳島県消費生活審議会(徳島県庁で開催、テレビ会議)▽定例記者会見(ウェブ会議・消費者庁会見室に配信)▽機能性食品検討会(三田共用会議所開催、テレビ会議)
【16日】プラット・イーズ(えんがわオフィス)視察▽神山町のテレビ会議で副大臣、政務官と打ち合わせ
【17日】長官記者会見(テレビ会議、神山町から徳島県東京本部)▽徳島大学学長と面会▽徳島経済同友会訪問▽徳島県消費者情報センター視察▽鳴門市長と面会▽徳島県立徳島商業高等学校視察▽徳島県庁視察・徳島県教育委員会委員長、知事と面会
民主党・維新の党統一会派消費者・食品安全合同部門会議での
その他のヒアリング内容を紹介しておく。
Q 滞在中に実施する試行の具体的内容は?
A テレビ会議システムを活用した打ち合わせ、会議への出席、記者会見等の実施
テレワーク、ペーパーレス環境での業務実施
教育機関、地元自治体等の取り組みや体制の把握
Q 検証・確認しようとしている課題は?
A ①テレビ会議やテレワークによる業務試行で、
意思の疎通や業務遂行が円滑に行えるか
(機能の維持、行革や働き方改革等の視点)
②先駆的な施策推進を図るための実証フィールドとしての
現地の消費者行政実情把握
(機能の向上、移転先以外を含めた理解が得られるか等の視点)
Q なぜ誘致先の徳島県庁、鳴門合同庁舎ではなく、神山町に滞在するのか?
A 神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスが
民間企業のサテライト・オフィス等に活用されてきた実績があり、
ネットワーク環境などの業務環境が整っているため
徳島県庁舎で、消費者制度課、表示対策課の職員がウェブ会議による打ち合わせ
テレワーク、ペーパーレス環境での業務試行も行う
参加した議員からは
「移転のお試しに資する内容なのか」
「全国でも卓越した取り組みがなされているのか」
「楽しそうな旅行に見える」などの質問が出された。
消費者庁は
「機能が維持できるのか。機能の向上に役立つことがあるかを検証する」
「徳島県が実証フィールドとして優れていると主張しているので、見てくる」と回答
これに対し、「視察をして、優れていないとは言いづらい」
「そんな失礼なことは言えないよね」
「100万円もかけてやる必要があるのか」などの指摘が出ていた。
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