2013年11月10日日曜日

食品表示法、食品表示基準の検討始まる。人選と検討手法で早くも紛糾。

食品表示法の食品表示基準の検討が11月6日

内閣府消費者委員会の下に設置された「第3次食品表示部会」(阿久澤良造部会長、16人)で始まった。

食品表示法は、今年6月28日に公布され、平成27年6月(公布から2年を超えない範囲)までには施行しなければならない。表示基準は内閣府令として、十分な周知期間を取るよう公布され、法施行と当時に施行される。


食品表示基準の検討に着手した初日の部会は、以下2点で紛糾した。

★1 山根香織・主婦連合会会長、山浦康明・日本消費者連盟事務局長が、部会メンバーから外された。代わりに入ったのは、消費者団体からは、河野康子・全国消費者団体連絡会事務局長1人となった。

5月に、「新食品表示法施行への今後の検討課題に関する調査会」設置を提言した4人の委員のうち3人が外れた。なぜ3人が外されたのか。人選はだれが行ったのか。提言への検討はどうなったのかと、1人委員として残った立石幸一委員(JA全農食品品質・表示管理部長)は、憤りを隠さず質問し続けた。

これに対し事務局は「人事について、食品表示部会で話すのは適切ではない。担当大臣が判断されたのではないか」と、回答している。

 ※ なんともあきれた話だ。会議の結論に人選は大きく影響する。3期連続して務める部会委員が多い中で、長く食の問題に第一線て取り組んできた消費者団体の代表をこの時点でなぜ外す必要があるのか。しかも、全国消団連は長官の出身母体だ(個人を批判する気は毛頭ない。外形的な問題として恣意的な人事と受け取られかねない)。

委員会の下部組織であるにもかかわらず消費者委員会の委員は一切人選にかかわれていないことが取材で判明した。民間の事務局長が外れた今、下部組織の人選に委員が何ら関与できない仕組みの在り方自体に私は問題があると感じる。改善を検討すべきではないか。


2 次回から
①栄養表示②生鮮食品・業務用食品の表示③加工食品の表示
―の3つの調査会に分けて検討する

 とした点にも、疑問の声が上がった。

・生鮮食品と加工食品の線引きを共同会議(厚労省と農水省)で4年間議論して何もやってこなかった。消費者庁の検討方針は現行を是とするもの。業界のしがらみで作られたおかしな表示がいっぱいある。生鮮食品と加工食品の垣根なんかほんとはない。矛盾だらけの法律をホッチキスで止めるのはどう考えてもおかしい。原理原則を議論すべき(立石委員)


生鮮食品と加工食品の線引きは調査会に入る前での確認が必要ではないか。総論部分や用語の説明(下記検討課題参照)は部会でやるべき(河野康子委員)

・生鮮食品と加工食品の線引きを分かりやすくすることが重要。調査会でうまくいくのか。共通する課題があるのではないか。まず具体的な問題を投げてほしい(石川直基委員)

・食品の区分は、加工食品と生鮮食品でいいのか。包装、未包装(対面で販売される惣菜やレストランで提供される食事など)に分類するという考えを取り入れれば、これまでの問題が解決する可能性がある(鬼武一夫委員)

・アレルギー表示は、原因物質が入っているかどうか遡ることができるよう、川下から川上まで統一した検討をしてほしい(栗山眞理子委員)

 ※これについては次回消費者委員会(12日)で議題になる。

12日の消費者委員会では、必要に応じて合同、あるいは部会で検討することとされ、
次回は28日、部会が開かれることに決まった。

立石委員は、部会を経る前に説明会が予定されているのもおかしいと指摘している。
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消費者庁が示したスケジュール、食品表示基準の策定方針、当面の検討課題は以下。

◇内閣府令(食品表示基準)制定までのスケジュール
   11月から食品表示部会で検討
   平成26年夏ごろ、部会でパブコメ案了承→パブコメ実施

食品表示基準の策定方針
現行58本の基準を1本に統合
消費者が求める情報提供 事業者の実行可能性とのバランスを図る
双方に分かりやすい表示基準を策定

   原則として、表示義務の対象範囲(食品、事業者等)は変更しない
   食品衛生法とJAS法の統合で、一部変更される部分あり
   例) 刺身盛り合わせ 現在JAS法では2種以上は加工食品とされ加工品表適用
     生鮮食品と整理した場合、原産地、解凍かどうか、養殖かどうかの表示追加
   基準は、食品・事業者の分類に従って整序し、分かりやすい階層構造とする
食品表示法41項 (食品表示基準の策定等)では
    「内閣総理大臣は、内閣府令で、食品及び食品関連事業者等の区分ごとに、
次に掲げる・・・・・表示の基準を定めなければならない」とされている。
食品の区分を ①加工食品 ②生鮮食品 ③添加物 ―の3区分とする
    食品関連事業者等の区分を
    一般消費者向け食品を扱う事業者
    業務用の食品を扱う事業者
    食品関連事業者以外の販売者(事業者内の販売者やバザー等)
             ―の3区分とする
    ③×③の9区分ごとに 
1.表示事項(横断的事項、個別的事項)
           2.表示方法(横断的事項の表示方法、個別的事項の表示方法)
3.表示レイアウト、文字の大きさ、表示禁止事項等
           を定める
③ 区分ごとに、食品の性質等に照らし、できるだけ共通のルールにまとめる
   けれども個別品表46本については
     ①名称の定義は原則として存置
  ② 内容量の記載方法、禁止事項は原則として区分ごとにルールを統一
  ③ 法目的達成や他法令の整合性で必要なものは存置する方向で検討
④ 栄養表示基準は、実現可能性の観点から義務化にふさわしい内容に見直す
   対象成分、対象食品、対象事業者等
⑤ 安全性に関するルールを分かりやすく見直す
  例;アレルギー表示の代替表記等の見直し
(「マヨネーズ」と表記した場合に「卵」を含む表示を省略できる)
     

◇食品表示部会での当面の検討課題
1.総論    3法を統合するための検討(食品・事業者等の区分などの整理)
         ・表示義務者の考え方の整理、だれが表示すべきか
         ・生鮮食品と加工食品の線引き
         ・その際の表示基準の整理
         ・スーパーのバックヤードを対象とするか
         ・業者間取引の表示対象と表示方法の整理
         ・JAS法の個別品質表示基準の整理・統合
        ②用語の統一
2.栄養表示  ③対象成分(義務化する栄養成分)
 ④対象食品(消費者向け包装食品に限るか)
 ⑤対象事業者等(除外規定の設定など)
 ⑥表示方法(100g当たりとしているが、1包も認めるかなど)
 ⑦強調表示(文字の色、大きさも強調表示に含めるかなど)
3.アレルギー ⑧アレルギー表示の代替表記等の見直し
表示    ⑨表示方法(個別表示、一括表示など)の整理
4.その他   ⑩レイアウト、文字の大きさの検討

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消費者の安全、自主的、合理的な選択の機会が確保され、消費者に必要な情報た提供されることが消費者の権利であることを尊重することが明記された食品表示法にふさわしい、表示基準の策定が求められている。


食品表示部会は目が離せない。国会での度重なる議員の質問への回答と、現実の検討状況はあまりにかい離があると感じる。傍聴者も多く、すぐに傍聴が締め切られる状況もあり、審議内容を動画配信してはどうか。


ホテルや百貨店の食材偽装が相次ぎ社会問題化する中で、消費者庁は景品表示法の周知と厳正な執行を対応策として上げている。6日の長官会見では景表法の課徴金についても「執行状況を見ながら検討していきたい」と答えている。

表示対策課48人のうち20人が執行に当たる体制(国会答弁の数字で書いたが、非常勤を入れると約60人、執行は約40人が担当しているそう)。

公正取引委員会の地方事務所が、同法が消費者庁に移管された後も執行に当たっているが、都道府県の執行体制は22県が1度も指示処分を行ったことがない(本年7月末時点)という現状がある。人がいない。消費者庁はこれまでは課徴金を導入すると執行力が落ちるとして検討に消極姿勢だった。これで課徴金の検討に入るというのであればそれは歓迎できる。

しかし、景表法の取り締まりだけで十分なのかという問題がある。ルールがなければ一流と言われるホテルも百貨店も軒並み消費者を欺いていたことが露呈した。外食店のメニュー表示規制を求める声も高まっている。

8日付、消費者庁が外食店のメニュー表示規制の検討に入ったという一部報道について、同日の閣議後会見で、森雅子消費者相は、指摘のような事実関係はないと否定している。6日の食品表示部会でも、「食品表示基準の策定が最優先」という消費者庁の説明が繰り返されるばかりだった。

しかし、アレルギー表示は、そうもいくまい。

成形肉の決着材に用いられるカゼインナトリウムは、乳由来の強いアレルゲンだ。オーストラリア牛のステーキ肉に脂肪を注入する際にカゼインナトリウムも注入されるという情報がある。

命にかかわるアレルギー表示の義務付けは、急ぐ必要がある。

栄養成分表示では、現在任意表示とされているトランス脂肪酸の義務付けが焦点になってくる。
米食品医薬局(FDA)が7日、トランス脂肪酸の使用を段階的に禁止すると発表した。

食材偽装の問題では、11日午後5時15分から30分、官邸で食品表示問題関係省庁等会議が開催される。
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参考 食品表示部会のメンバーは以下。

第3次食品表示部会

部会長阿久澤 良造日本獣医生命科学大学応用生命科学部長
部会長代理夏目 智子全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
安達 玲子国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部 第三室長
池戸 重信宮城県産業技術総合センター 副所長兼食品バイオ技術部長
池原 裕二一般財団法人食品産業センター企画調査部次長
石川 直基弁護士
板倉 ゆか子消費生活アナリスト
宇理須 厚雄藤田保健衛生大学医学部教授
鬼武 一夫日本生活協同組合連合会品質保証本部安全政策推進部長
春日 雅人独立行政法人国立国際医療研究センター 総長
栗山 眞理子特定非営利活動法人アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」 専務理事
河野 康子一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局長(共同代表)
迫 和子公益社団法人日本栄養士会 専務理事
澁谷 いづみ愛知県豊川保健所長
立石 幸一JA全農 食品品質・表示管理部長
宮地 邦明日本チェーンストア協会 食品委員会委員

第2次食品表示部会
部会長     田島 眞      実践女子大学生活科学部教授
        夏目 智子    全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
        川戸 惠子    ジャーナリスト
        青柳 和夫     株式会社 セブン&アイホールディングス法務部 FT委員会
        阿久澤良造    日本獣医生命科学大学 応用生命科学部長
        阿南 久      全国消費者団体連絡会事務局長
        海老澤元宏    国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研  究部長
        鬼武 一夫     日本生活協同組合連合会 組織推進本部 安全政策推進室長
        春日 雅人     独立行政法人 国立国際医療センター 研究所長
        栗山 真理子   特定非営利活動法人 アレルギー児を支える全国ネット「アラジー  ポット」 専務理事
        迫 和子      社団法人日本栄養士会 専務理事
        澁谷いづみ     愛知県半田保健所長
         宗林さおり      独立行政法人 国民生活センター商品テスト部長
 立石 幸一      JA全農 食品品質・表示管理部長
 手島 玲子      国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部 部長
 中下 裕子      弁護士
 森 修三       財団法人食品産業センター 企画調査部 次長
 森 康益        株式会社ニチレイ 執行役員 品質保証部長
 山浦 康明     特定非営利活動法人日本消費者連盟共同代表運営委員兼事        務局長
  山根 香織     主婦連合会会長

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