2013年10月27日日曜日

来月1日にも衆院通過へ  参院の審議時間確保がカギ「消費者被害集団的回復訴訟法案」

衆議院消費者問題特別委員会は10月24日、理事懇談会を開き、審議を30日に再開し、31日に採決することを決めた。

来月1日にも衆議院を通過する見通し。

ただし、森雅子消費者相が担当大臣とされた特定秘密保護法案の審議入り後、大臣の日程の確保は困難を極める。

参議院での審議時間を確保できるかどうかが成立への最大のカギになる。
成立できるかどうか楽観できない状況だ。


28日に参考人出頭要求決議
304人の参考人質疑と審議
31日午前、午後は園遊会後に再開し同日採決する 方向

来月1日の衆院通過が見えてきた。


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今後、成立への課題は、参議院での大臣日程の確保になる。

衆議院の審議時間は、
67日に趣旨説明。
13日、20日で計5時間40

今回調整された審議時間は8時間で、合計すると審議時間は13時間40分に及ぶ。
参考人質疑は2時間45分。


参議院では衆議院の審議時間の7割程度を確保するのが慣例で、審議は最低でも2日、場合によっては3日必要になる。

参議院で大臣日程を確保できるのか。
審議時間の確保には、与野党間での緊密な連携、情報共有が欠かせない。参議院消費者特委員長の仕切り、筆頭理事間の調整がカギを握ることになる。

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民主党が修正案

特定適格消費者団体の支援に、情報の提供と資金の確保を追加

特定適格消費者団体の監督指針を策定を盛り込む

施行後の見直し期間を、5年後から3年後に変更 
                       ―する方向。

適用対象から外した施行前の事案へのADR(裁判外紛争解決)対応についても
明文化が検討されている模様。

衆院消費者特委 委員長に山本幸三・元経済産業副大臣


 衆議院消費者問題特別委員会委員長に1015日、自民党の山本幸三・元経済産業副大臣が選任された。

 第1次安倍晋三内閣、経済産業副大臣
「アベノミクスの仕掛け人」
自民党日本経済再生本部事務局長

 
 48年、北九州市(旧門司市)に生まる。
 71年、東大経済学部(理Ⅰから官僚を志し転籍)卒業後に大蔵省に入った。
    在職中にコーネル大学経営大学院に留学し、MBA(経営学修士)を取得。
    岩国税務署長(山口県)、アメリカ合衆国ハーバード大学国際問題研究所客員研究     員、福岡国税局直税部長、宮沢喜一大蔵大臣秘書官などを歴任。90年退官した。
 
 93年、衆議院議員に初当選。
    現在6期目。
    第1次安倍内閣で、経済産業副大臣。
    衆議院法務委員長、自民党政調副会長、自民党総務会副会長などを歴任
    自民党日本経済再生本部事務局長、観光立国調査会長、税制調査会幹事。
    福岡10区選出。65歳。
   
    著書に「日銀につぶされた日本経済」などがある。



23日、臨時国会召集後初めて理事懇談会が立った。終了後、取材に対し山本委員長は「31日までに上げる」と回答。成立に向け、剛腕を振るっている。


自民党消費者問題調査会では、経済界を代表するかなり厳しい発言を続けてきたが、
修正して党内合意した後は、賛成すると表明していた。

驚きの人選ではあったが、すごい人事に見えてくる。

多数の泣き寝入りする消費者被害を放置したままでの、経済回復などあり得ない。世界からもあまりに遅れることになる。

消費者庁は、消費者の安全が確保され、安心できる健全な市場こそが経済成長につながるという消費者安心戦略を掲げている。

今後、法律に抵触するような契約で大きな利益を得ようとするような企業以外、反対する理由はないはずだ。



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緊迫した日程の中で、法案を通すには委員長、筆頭理事間での調整が成立のカギを握る。10月15日、衆・参消費者問題特別委員会の新たな理事が決まった。与党筆頭理事は衆参ともに交代した。

消費者問題特別委員会の理事は以下(敬称略、○印は筆頭)

【衆議院】
○北村誠吾(自民)▽泉原保二(自民)▽大塚高司(自民)▽永岡桂子(自民)▽原田憲治(自民)▽古屋範子(公明)
郡和子(民主)▽重徳和彦( 維新)
【参議院】  
○猪口邦子(自民)▽青木一彦(自民)▽ 鶴保庸介(自民) 魚住裕一郎(公明)  
金子洋一(民主)


2013年10月21日月曜日

臨時国会で成立させられるのか 「消費者被害集団的回復訴訟法案」


 第
185回臨時国会が1015日に召集され、会期126日まで53日間の論戦が始まった。

第183回通常国会に提出され継続審議になったままの「消費者被害集団的回復訴訟法案」を、今臨時国会で成立させることできるのか。

今国会は重要法案が目白押し。かつ、会期は短い。

森雅子消費者相が担当大臣とされた特定秘密保護法案の審議入りの前に、
衆議院を通過させることができるかどうかが成立への最大の焦点になりそうだ。

水面下の調整が大詰めを迎えている。

特定秘密保護法案の閣議決定は22日に行われず、25日にずれ込む模様。
となると・・


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少し復習 

法案の正式名称は
「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続きの特例に関する法律案」

法案提出は4月19日。6月4日に衆院本会議で審議入り。
消費者問題特別委員会の趣旨説明は6月7日。
13日、20日にそれぞれ3時間、計6時間の審議を終えている。
特委での審議時間は15時間+参考人質疑と決まっていた。

特定適格消費者団体(内閣総理大臣が認定)が、消費者被害にあった消費者に代わって、被害にあったお金を取り戻す訴訟を起こすことができる

訴訟が2段階にわけて行われるのが大きな特徴

1段階目

特定適格消費者団体が、多数の消費者に生じた被害に対し、事業者に金銭を支払う共通の義務があるかどうかを確認する訴訟を起こす。

2段階目

特定適格消費者団体が勝訴して、共通義務があると認められた場合に、この事実を周知し、手を挙げた被害消費者が訴訟に加わる。簡易な手続きで被害額を取り戻す。


※米国クラスアクションと全く異なる

米国クラスアクションは、被害者ならだれでも訴訟を起こせ、すべての被害者が対象になる。
手を挙げた人だけが外れる仕組み。

訴訟の対象もこの法案では、消費者契約の一定の請求に限定され、拡大損害(契約の目的以外の財産被害など)、遺失利益(契約の目的物が提供されれば得るはずの利益)は対象外。懲罰的な損害賠償も含まれていない点でも、違いがある。


自民党内の調整で、公布から2年後としていた施行も3年後に。
             施行日前の被害には効力が及ばないこととされた。

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 全国54の消費者団体 今臨時国会の成立求め会見


全国消費者団体連絡会など全国54の消費者団体の代表が10月11日、消費者庁で会見し、今臨時国会での法案成立を求めた。54団体の決議事項の主な内容は以下

◇法案の、今臨時国会での成立を
    消費生活相談件数は12年度も約85万件と高水準
    事業者が契約を守らなかった、不利な契約条件を押し付けられた場合でも泣き寝入り
    約10年にわたる消費者の念願

◇消費者が訴訟に参加しやすくなる
 紛争の一回的解決は、消費者・事業者双方の利益になる
    消費者にとっては個別訴訟より負担が軽くなる
    複数の消費者から断続的に訴訟されるより、事業者にとっても効率的

◇「濫訴のおそれ」はない
 米国のクラスアクションとは、異なる制度
    訴訟を起こせるのは、行政の厳しい監督下にある特定適格消費者団体のみ
    拡大損害は、対象外。懲罰的損害賠償の認められていない
    一段回目での敗訴は影響大きく、軽々しい試験的な訴訟提起は考えられない

◇この制度が適用されない制度施行前の事案
 国民生活センター等のADR(裁判外紛争解決)機関の対応の充実を
    施行前の事案に適用できないのは大変残念
    国民生活センター等のADR機関で被害回復を

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全国54の消費者団体 29日に参議院会館で集会

全国54の消費者団体は1029日、集団的消費者被害回復訴訟制度の臨時国会での実現を求める集会を、参議院議員会館で開催する。制度の必要性を訴え、法案の早期成立に向け国会議員らに協力を呼びかける。

▽日時‥1029()10時半~12
▽場所‥参議院議員会館101会議室(千代田区永田町17-1)
▽参加費‥無料
▽申し込み‥1025()までに、氏名、所属、電話番号、ファックス番号を明記し、0352166036(全国消費者団体連絡会事務局)までファックスする。
▽問い合わせ‥0352166024(同事務局)まで。

54団体
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