2017年11月27日月曜日

消費者庁天下り問題⑭ ジャパンライフ3度目の業務停止命令 2度の処分後、新規契約2000人120億円

 2度の業務停止命令出しても、停止された磁気治療器のレンタルオーナー商法ではなく、磁気治療器を購入して体験し、拡販宣伝する業務提供誘引販売取引(モニター商法)だとして、同様の契約を続けてきたジャパンライフに対し、消費者庁は11月17日、ようやく、業務提供誘引販売取引も1年間停止する3度目の業務停止命令を出した。消費者庁は事業者の主張を是として処分をしたが、2度目の行政処分以降、新規契約者は約2000人、契約額は120億円(事業者報告)に上った。ジャパンライフは8月末には業務提供誘引販売を中止したとし、今度は同様の取引を「リース債権譲渡販売」として拡販するための説明会を全国各地で展開している。消費者庁取引対策課元課長補佐の同社への天下りが発覚する前後から、消費者庁は後手後手の対応で、消費者被害を拡大させてきた。今回の処分は、2016年度末の純資産額が338億円の赤字であることを顧客に通知した同事業者の破綻につながるのか。それともまた、イタチごっこを繰り返すのか。行政処分は、新たな消費者被害の防止が最大の目的だが、対応の遅れは致命的といえる。業務停止命令違反を問うには刑事告発が必要だが、消費者庁は刑事告発をしているかどうかも、明らかにしていない。

後手後手対応では、被害抑止できず
レンタルオ―ナー ➡ 業務提供誘引販売取引 ➡今度は「リース債権販売」

ジャパンライフの業務提供誘引販売のチラシ
 ジャパンライフは、磁石がびっしり埋め込100万円から600万円もする磁気治療器(ネックレスやベルト、ベストなど)を販売し、レンタルするとして、1年間に販売価格の6%を「レンタル料」として支払ってきた。業務停止命令を受けた後は、拡販宣伝をするという名目で「月額活動手当」として、これまでと同様、年6%を支払う契約を続けていた。

 1度目(2016年12月16日)と、2度目(2017年3月16日)の行政処分で、1年間の業務停止命令が出されたのは、訪問販売と預
託取引、連鎖販売取引(マルチ商法)。ジャパンライフは、業務停止命令の対象にならない業務誘引提供販売取引だと主張してきた。
上記写真の磁気ベルトは320万円。購入して装着して
体験し、友人や家族などに紹介するという名目で、
月額1万6000円の「月額活動手当」がもらえる仕組み


事業者の言い分「是」
業務提供誘引取引を1年間停止
 3度目の今回、消費者庁は、この業務提供誘引販売取引に1年間の業務停止命令を出した。
消費者庁は、事業者の主張通り、新しいビジネスとして、「商品を購入し、商品を自ら装着して体験をし、友人、知人、家族に紹介をして、宣伝拡販すると業務提供利益を得られる」業務提供誘引販売取引をしていたとして、行政処分を行った。
業務提供利益(対価)は、購入した商品の定価の6%。写真の磁気ベルトの定価は320万円。
これを購入して装着して体験すると、拡販宣伝費の名目で、年間16000円の月額活動費が入る仕組みだ。
業務提供誘引販売の概要書面。
これが整備されたのは2017年
6月以降と見られる
ノルマや出来高払いなどは一切なく、自ら装着するだけの契約者もいた。取材では商品が開封されないまま、月額活動手当が支払われているケースも確認できた。
契約期間は、最長20年。商品については一部支店で預かっているものもあるが、ほぼ、提供されていたとみられる。
購入した磁気治療器のその後の扱いについて、契約の概要書面には何の記載もない。

338億円の赤字、故意に告げず
解約、複数の従業員が面接し妨害
 認定した違反事実は、①勧誘目的等不明示(「エステやマッサージが受けられる」などと、勧誘目的を告げていない)②故意の事実不告知(2017年7月に公認会計士から取締役会に約338億円の大幅な債務超過があることが報告されたにもかかわらず、判断に影響を及ぼす大幅な債務超過があるという事実を故意に告げていない)③契約書面不交付(契約書面を交付していない)④迷惑解除妨害(解約を申し出た人に、複数の従業員との店舗での面接を強い、解約を妨げた)の4つ。

業務停止命令と併せて、2度の業務停止命令以降に契約した顧客に、12月18日までに業務停止命令の内容や2016年度末時点の純資産額が338億円の赤字(債務超過)であることなどをわかりやすく通知し、同日までに消費者庁長官
説明11月14日付で顧客に発送された
「リース債権販売開始」のお知らせを追加
に報告することを指示した。

70歳以上高齢者75%
地方の高齢女性がターゲット
 全国の消費生活センターなどに寄せられたジャパンライフへの相談件数は、497件(2015年4月以降17年10月13日登録分、2度の業務停止命令以降は160件)。70歳以上の高齢者が75%を占め、地方の高齢女性がターゲットになっている。相談者の最高契約金額は5億円、平均契約金額は約1850万円に上る。
  2度の業務停止命令後に、新たに業務提供誘引販売で契約した人の数について、佐藤朋哉取引対策課長は、月末時点で「約2000人、契約額は120億円」と報告したが、「あくまで会社の報告で、確認したわけではない」と説明した。
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「財務状況知って、契約の妥当性判断を」
消費者庁の佐藤朋哉取引対策課長
顧客に預託法に基づいてジャパンライフから送付されている2017年7月末時点の「月次保有状況表」によると、レンタルオーナーの数は6855人、契約個数は13万2964個(契約額1714億7035万4000円)、実際にレンタルされている商品は2万6559個(契約額100億7725万3000円)とされていた。この預託者数がどう変化したかを問う質問には「減っている傾向にあるが、正確な数字は分からない」としか、回答していない。なぜ破綻しないのかとの質問にも「わからない」とし、消費者に向けて「2016度末の段階で338億円を超える債務超過状態にあるという財務状況を理解して、判断することが重要。数年間にわたって年6%を払う契約の妥当性について判断いただく必要があるのではないか」と、佐藤課長は話した。

ジャパンライフHPで反論
「事実無根、経営上の心配ない」
リース債権の購入に転換したと
説明し、全国各地でリース債権
販売開始の説明会を開催している
一方、今回の処分に対し、ジャパンライフは「業務提供誘引販売は8月末ですでに営業を終了している。そのため、通常通り営業を行っている。今後については、顧問弁護士に対応を確認している」とコメントした。
同社のホームページでは、「業務提供誘引販売契約は8月末で終了し、現在一切行っていない」とし、「仕分けの考え方の相違で、経営上の心配はない」「解除妨害は一切行っていない」などと説明。「消費者庁の杜撰な調査と事実無根の一方的な思い込みで、こういう処置を取ったことに対し、当社は大変憤りを感じ、早速当社の顧問弁護士に法的処置を依頼した」と、山口隆祥会長名で反論している。
ただし、実際は9月の段階でも業務提供誘引販売で契約をさせていることが確認できた。今回の行政処分の違反認定でも、9月に契約した事例が示されている。

「リース債権」として販売開始
全国34店舗で説明会
ジャパンライフは11月14日付で、「レンタルユーザー契約」から「5年物リース購入契約」に転換したとするお知らせを顧客に送付していたことが分かった。11月1日から装着タイプ磁気治療器リース債権の販売がスタートしたとして、19日から26日にかけて全国34店舗で説明会を開催している。参加者全員に6000円相当のノニジュースがプレゼントされるという。
届いたお知らせの「リース債権収入例」を見ると、額面100万円のリース債権を70万円で買い、月々5000円を5年間計30万円を受け取った後、ジャパンライフが売り渡した債権を、5年後の債権価格70万円で買い取るとしている。債権総額を約129億5000万円に限定し、契約者数を約3700人としている。
このリース債権譲渡販売は特定商取引法の適用対象になるのか。11月22日の長官会見で岡村和美消費者庁長官は、「個別案件のため回答できない」としか答えなかった。金融庁は「金融商品に該当しない」、経産省は「リース契約には該当しないと考えられる」と答えている。消費者庁は、特商法の役務を広く解釈し、迅速に対応することが求められる。

消費者庁は、2度も業務停止命令をかけてなお、約2000人約120億円の新たな契約をさせてしまった。3度目の業務停止命令を出してもまた新たな取引で説明会が行われている。一体いつになったら、新たな消費者被害を止めることができるのか。

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解説 
   
新たな契約、いつ止められるのか
業務停止命令違反、絵に描いた餅なのか
今回の行政処分は、手をこまねいたまま、12月16日までの1年の業務停止命令期間を終えるという最悪の事態は、回避したとはいえる。
しかし、レンタルしている商品が大幅に不足している現物まがい商法で、既契約者への6%の支払いを新たな契約で賄っている自転車操業であることを、消費者庁は2015年9月と10月に行った同社への立入検査で、把握していたはずだ。
当時の担当者はほとんど異動させられてしまったのかもしれないが、いまだに新たな契約を拡大させている現状への危機感を共有できているのか、今一度問いたい。本当に、この時期まで何もできなかったのか
今回、故意の事実不告知で、「2017年7月に公認会計士から大幅な債務超過があることが報告されたにもかかわらず、故意に告げていない」ことを認定した。
しかし、今年3月の2度目の処分で、消費者庁が公認会計士等による外部監査結果の報告を求めたのは、5月1日まで。5月末までに顧客に通知することを指示していた。にもかかわらず、2015年度末での純資産額が約266億円の赤字、2016年度末時点の純資産額が338億円の赤字である通知がジャパンライフから顧客に発送されたのは、8月28日付と9月11日付だ。
その後で、消費者庁長官は長官会見の質問の中で、約339億円の赤字であったことを回答したが、自ら公表したわけでもない。
今回の指示処分の内容も、①公認会計士の監査意見は「意見不表明」だったこと②会計監査の完了時期は2019年6月末の予定だが、過去の決算整理仕訳のうち根拠を示すことができない仕分けを取り消して公認会計士の確認を受けた結果が約339億円の赤字だったことを、わかりやすく伝えることを求めている。しかし、このような内容では、高齢者に、わかりやすくなど伝えられない。
「仕分けの考え方の相違。経営上の心配はない」というジャパンライフの説明の方が、よほどわかりやすい。
ジャパンライフは、2度の業務停止命令を受けた後も、4月の売り上げが過去最高の35.6億円、7月の売り上げが約39億円もあるなどの分かりやすい資料を顧客に送ったり、説明したりしてきた。この額は正しいのかとの質問にも、消費者庁は「違反認定には入っていない。公認会計士からの報告は債務超過」としか回答しなかった。読んでも理解できない高齢女性に、いまだに判断を委ねている。マッサージをしてあげるなどと勧誘員と日常的に接している状況があり、どこまで伝わるのか懸念される。
そもそも、公認会計士の外部監査を受けて報告を求めるような指示しか出せなかった前回の処分に問題がある。消費者庁自らが粉飾決算であることを認定していれば、こんなことにはなっていない。せめて不正調査を命じ、早い段階で公表することはできなかったのか悔やまれる。
2015年9月の同社への立入検査で元消費者庁取引対策課課長補佐の天下りが発覚して以降、取引対策課の歯車が狂ってしまったように見える。天下りの影響で立入検査自体が遅い。さらに1度目2度目の処分で、同社の商法が、約2000億円の消費者被害を出した豊田商事事件と同様の現物まがい商法だったことがきちんと周知できていれば、こんなことにはなっていない。再三の質問にレンタルオーナーとレンタルユーザーの数すら答えず、テレビはどこも放映しなかった。最初に適切な行政処分を行っていれば、2度、3度の行政処分など必要なかった。失策を取り戻すには、相当の覚悟でのぞむしかない。消費者被害の防止は消費者庁の最大の使命だ。
豊田商事事件では、投資した高齢者は世間から「欲ぼけ老人」と、非難された。勧誘者が高齢者に巧みに近づき、高齢者を「お父さん、お母さん」と呼び、掃除や洗濯、炊事などまでして信用させていたが、その実態が伝えられなかったためだ。
なぜ、高齢者はジャパンライフと高額な契約をしてしまうのか。なぜ、信用して契約を重ねてしまうのか。本来は、それが一般の人に理解できるように違反を認定し、その手口を公表すべきだ。過去3回の行政処分の違反認定では、無料でマッサージやエステをしてもらうために店舗や大会に参加したことしか伝わらない。勧誘段階での、不実告知は認定できないのか。
5月の段階では、ジャパンライフの申込書は業務提供誘引販売取引になっていなかったことが確認できた。6月以降、ジャパンライフが業務提供誘引の取引形態を整備するのを待って、その後の違反を認定したのでは、あまりに時間がかかる。
さらに、本紙では今年2月の段階で月額活動費の名目で、訪問販売で新たな契約をさせた事例を、契約書を示して報道した。5月には都内のホテルで国際大会と銘打って約1000人を集めて、「腰痛や膝痛が治る」「すべての病気の原因は血行。全部解決するのがジャパンライフの装着タイプ磁気治療器」などと言って、大規模な勧誘を行っていたことを報じた。共産党の大門実紀史参議院議員が国会で取り上げ、音声記録と映像を入手したとして消費者庁に提供するとまで述べていた。消費者庁もこのホテルでの勧誘は「訪問販売に入り得る」と答弁していた。なぜ、業務停止命令違反を認定し、刑事告発をしないのか。
12月に改正施行される特定商取引法は、悪質事業者への執行強化、罰則強化が目玉だ。業務停止命令違反の罰則が「懲役2年または300万円以下または併科」から「懲役3年または300万円以下または併科」に引き上げられる。罰則の強化は絵に描いた餅に過ぎないのか。次の一手に期待したい。

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 契約の取り消し可
クーリング・オフも
 
消費者庁取引対策課が11月17日に、各地の消費
11月17日付で取引対策課が、各地の消費生活センター宛てに出した文書
生活センター宛てに出した文書を紹介しておく。今回の行政処分で、業務提供誘引販売取引の契約をした人に、どのようなあっせんや助言ができるか、わかりやすく説明されている。
 判断に影響を与える故意の重要事項不告知が認定されているため、契約の取り消しが可能だ。
 契約書面不交付が認定されているため、必要な記載がない契約書面が交付された場合や、契約書面が交付されていない場合は、業務提供誘引販売のクーリング・オフ期間である契約書面を交付された日から20日間が過ぎても、クーリング・オフができる。
 業務提供誘引販売取引の同社の契約概要書面を見ると、「定価」契約はレンタルオーナー契約の短期契約が移行したものとみられ、契約期間の最長は3年間、契約書面受領日から365日が経過するまでは解除できるとしている。「割引」契約は、レンタルオーナー契約の長期契約が移行したものとみられ、契約期間の最長は20年。契約書面受領日から20日が経過するまでは解除できるとされている。
契約書面が交付されていない場合や記載内容に不備があった場合は、いずれの契約も、いつでもクーリング・オフができる。
ジャパンライフでは、解約に応じることで国民生活センターや消費生活センターとトラブルになることを避けてきたとみられる。ただし、最近では、分割払いにされたり、値切られたり、支払われない事例が出てきている。

                        日本消費経済新聞11月25日号から

2017年11月19日日曜日

葛の花「飲むだけでは痩せない」機能性表示食品16社に景表法措置命令

摂取するだけで、だれでも容易に痩せられると誤認させる表示をしたとして、消費者庁は11月7日、葛の花由来イソフラボンを有効成分とする機能性表示食品を販売している16社に、景品表示法に基づく措置命令(優良誤認)を出した。機能性表示食品への措置命令は初めて。機能性の根拠を示す論文の中から、一部の数字のみを強調して痩身効果を期待させたり、ズボンがぶかぶかになるほど痩せた写真を掲載して購買意欲をあおっているが、試験結果では、ウエストが90㎝を超える肥満の人が、1日の摂取カロリーを2000㎉程度に制限し、毎日通常より2000歩も多い8000歩から9000歩歩いて12週間飲み続け、ウエストがわずか1㎝、体重が1㎏程度しか減っていない。消費庁は「約1㎏減、ウエスト約-1㎝は、通常1日の変動範囲」との見解を専門家の意見として示した。どの程度の効果があるか、自分にも効果が期待できるのかは、消費者の商品選択の必須要件だが、消費者に伝えられていない。販売を中止したのは3社。販売した対象商品全品を返金したのはニッセン1社にとどまる。多くの事業者が、希望あるいは強い希望があれば返金すると回答しているが、「ヘラスリム」「シボヘール」をインターネット上で販売している2事業者は、取材に応じない。


 措置命令を受けた16社の19商品 販売状況と返金対応
会社名 商品名 販売状況 返金対応
太田胃散 葛の花イソフラボン貴妃 中止(6月) 申し出者に返金
  葛の花イソフラボンウエストサポート茶    
オンライフ slimfor(スリムフォ ー) 継続 返金していない
CDグローバル 葛の花イソフラボン 青汁 検討中 返金するが要望ない
全日本通教 葛の花減脂粒 継続 申し出者に返金
ありがとう通販株 青汁ダイエットン 中止(8月) 申し出者に返金
ECスタジオ イージースムージー グリーン 継続 申し出あれば検討
協和 ウエストシェイプ  継続 申し出者に返金
スギ薬局 葛の花ウエストケア タブレット 販売一時中止 申し出者に返金
  葛の花ウエストケアスムージー 要望ある人に  
  葛の花プレミアム青汁 は継続  
ステップワールド ヘラスリム 取材に応じず
テレビショッピ ング研究所 葛の花サプリメント 検討中 申し出者に返金
Nalelu 葛の花ヘルスリム2 7 継続 申し出者に返金
ニッセン メディスリム(12 粒) 中止(5月) 全品返金済み
日本第一製薬 お腹の脂肪に葛の花 イソフラボンスリム 継続 相談内容に応じ返金
ハーブ健康本舗 シボヘール 取材に応じず
ピルボックスジャパン onaka(おなか) 継続 返金するが要望ない
やまちや 葛の花由来イソフラ ボン入り きょうの 青汁 継続 申し出者に返金
                        上から4社は、一般消費者への誤認排除、再発防止、不作為を命令
                   残りの12社はすでに一般消費者への誤認排除措置を講じているため、再発防止と不作為を命令

運動や食事制限、条件示さず
 わずかな効果を過大に強調

 同日、措置命令を受けたのは、太田胃散(東京都文京区)、全日本通教(同杉並区)、協和(同福生市)、スギ薬局(京都市)、ステップワールド(東京都渋谷区)、テレビショッピング研究所(同大田区)、ニッセン(京都市)、ハーブ健康本舗(福岡市)など16社の19商品。タブレット状のものがほとんどだが、お茶や青汁なども含まれている。一部は店舗でも販売されていたが、ほとんどが通信販売で提供されていた。
 
 消費者庁によると、2015年10月~2017年8月(各社で異なる)にかけて、自社のウェブサイトや新聞、雑誌、テレビ、一部ラジオなどで、「摂取するだけで、だれでも容易に、内臓脂肪や皮下脂肪が減少し、見た目でも変化が分かるほど腹部の痩身効果が得られる」と誤認させる表示をしていた。消費者庁がその表示を裏付ける合理的な根拠の提出を求めたが、各社の提出資料は合理的な根拠とは認められなかった。
 
16社19商品の違反認定事実
「あたかも、対象商品を摂取するだけで、だれにでも容易に、内臓脂肪(および皮下脂肪)の減少による、外見上、身体の変化を認識できるまでの腹部の痩身効果が得られるように示す表示をしていた」

実験結果への消費者庁の見解(専門家の意見)
●BMI25~30の者が対象
●運動と食事制限により、摂取エネルギーを消費エネルギーが上回る状態を維持することが必要
(運動では、12週間平均で約8000~9000歩/日、これは通常より約2000歩/日多い)
●実験結果の約1㎏減、ウエスト約-1㎝は、通常1日の変動範囲

「食品食べ痩せることはまずない」
消費者庁 大元慎二課長
 
 消費者庁表示対策課の大元慎二課長は、「試験結果のデータをしっかり見ておけば、このような表示は当然できない。内臓脂肪を減らすのを助ける効果を超えた部分に関しては、根拠はない」と指摘。試験結果からは「運動と食事制限により、摂取エネルギーを消費エネルギーが上回る状態を維持することが必要」と、専門家の意見を踏まえた消費者庁の見解 (上記参照)を示した。
「食品を食べて、痩身効果を得ることはまずありえない。痩身効果を求めるのであれば、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回る状況を作ることが重要で、食品を食べただけで痩せることはまずない」と話した。もともと届け出た表示に痩身効果は含まれておらず、痩身効果はうたえない。

消費者庁のデータベース検索
消費者、試験の前提条件把握できず
 違反が指摘された広告表示では、腹部の脂肪をつまんだ写真とともに、「運動×食事制限しなくても、皮下脂肪、内臓脂肪に強力にアプローチ」などと掲載。ズボンがぶかぶかになり、ウエストが細くなったことを強調する写真とともに「12週間でウエスト-0.8㎝」「試験で実証!お腹の脂肪の断面積が12週間で20㎠減少!」などと大きく記載されている。
機能性表示食品は2015年4月から、政府の規制改革会議主導で導入された制度だ。機能性や安全性の根拠を事業者の責任で届け出る。消費者庁のデータベースで機能性の根拠となる論文が示されているはずだが、公表されている資料からは、消費者が効果の程度を知るためには必要不可欠な「試験の対象者や前提条件」を把握することができない現状があった。

最終製品用いた臨床試験
対象者のウエスト平均約96㎝
 
 「ヘラスリム」(届け出ステップワールド)と「メディスリム」(同ニッセン)の2商品については、消費者庁に届け出た機能性の科学的根拠として、最終製品による臨床試験結果が添付されている。ただし、その論文は英語で、英語が苦手な人は読む気になれない。
 
 試験の対象者は、BMIが25~30の人たち。日本ではBMIは25から肥満とされ、平均身長約165㎝、平均体重約75㎏、平均ウエスト約96㎝、平均年齢約44歳の肥満の人たちで試験は行われている。標準体重はBMIが22の体重とされている。例えば、ウエストが細くなりたいと、身長158㎝、体重55㎏の人が摂取したとしても、BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) ×身長(m)}=22。試験と同様の効果は期待できない。

1日9000歩の運動量で試験
通常より2000歩多い
 
 しかも、試験期間中、試験対象者は毎日8000歩から9000歩を歩き、摂取カロリーは2000 kcal/日前後に抑えられている。

「2016年国民健康・栄養調査結果」によると、一日あたりの平均歩数は男性で6984歩、女性で6029歩。20~64 歳の歩数の平均値は男性7,769 歩、女性6,770 歩で、65 歳以上では男性5,744歩、女性4,856 歩とされている。肥満の人たちのデータは公表されていないが、消費者庁は専門家の意見を踏まえて、通常より2000歩程度多いとの見解を示している。

摂取カロリー1日2000 Kcal
消費エネルギー下回る

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、30~49歳男性の推定エネルギー必要量が2,650 kcal/日、女性は2,000kcal/日とされている。男女平均でしか摂取カロリーが記載されていないこと自体疑問だが、消費者庁は「運動と食事制限で、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状況を維持することが必要」という専門家の見解を示している。

効果の程度は、12週間摂取しても、外見上ウエストが細くなるほどの差は出ていない。肥満の人たちを3つのグループに分け、①葛の花抽出物を毎日300㎎(うちイソフラボン54㎎ そのうちテクトリゲニン類42 mg)摂取する グループ(男性14人女性14人)。②200㎎(同36㎎、テクトリゲニン類28mg)を摂取するグループ(男性13人女性15人)。③比較対象の葛の花抽出物を含まないプラセボ(偽薬)を摂取するグループ(男性12人女性13人)で、比較している。

内臓脂肪減らすのを助ける
総脂肪面積12週間で4.9%減 

 その結果、①のグループで内臓脂肪面積(試験前内臓脂肪面積の平均116.4㎠)が、8週間目と12週間目にそれぞれ-8.9㎠(7.6%減)、-15.3㎠(13.1%減)減少し、総脂肪面積(試験前平均327.3㎠)は-8.8㎠(2.7%減)、-16㎠(4.9%減)減少。BMIが-0.5、-0.8減少したという内容だ。試験前の平均95.9㎝のウエストや平均75.3㎏の体重がどの程度減ったのかは、折れ線グラフで読み取るしかなく、正確な数字は示されていない。

ただし、③のプラセボ群でも、数値の減少は見られる。8週間後、2週間後で内臓脂肪面積は(試験前平均95.3㎠)はそれぞれ-1.5㎠(1.6%減)、-4.1㎠(4.3%減)、総脂肪面積(試験前平均323.5㎠)は-5.4㎠(1.7%減)、-2.6㎠(0.8%減)減っている。BMIは折れ線グラフから読み取るしかないが、-0.2から-0.3は減少していると見られる。

臨床試験の結論は、皮下脂肪面積では有意な減少は見られなかったが、内臓脂肪面積の減少ではプラセボ群と比較して有意な差があったとしている。

「肥満の人が、通常より多めに運動をし、食事制限をした状況下で、内臓脂肪を減らすのを助ける機序が推論できる」という内容で、一定程度必ず減ると保証するものではない。

グラフで差を大きく見せる
消費者、効果を過大に誤認
 
 他の17商品については、最終製品の臨床試験ではなく、機能性関与成分に関する「研究レビュー」で、機能性が評価されている。上記論文を含めた同じグループの人たちの4つの論文を総合的に解析している。

今回、問題とされた広告では、研究レビューで解析に用いられた1つの論文から、折れ線グラフを用いて、大きな差があるように見せるグラフが作成されている。

12週間で体重が1㎏減少し、お腹の脂肪の断面積が20㎠減少し、ウエストが0.8㎝細くなることが、折れ線グラフを用いて大きな差があるように表現されている。しかも、どんな人がどのような条件で試験したかが、全く示されていないために、消費者に、自分にも大きな効果があるように誤認させている。

消費者庁に届け出された研究レビューには、元の論文が添付されておらず、消費者は試験の対象者の詳細や前提条件を知ることはできない。その論文はネット上では検索できず、雑誌を取り寄せたり、国会図書館などに出向いたりしなければ、読むこともできなかった。制度上あまりに問題がある。

12週間でウエスト0.8㎝減 
実は、元のウエスト92.8㎝

 元の論文によると、被験者群のBMIは25~30未満、平均体重は73.7㎏、平均ウエスト92.8㎝、平均腹部総脂肪面積は314㎠(内臓脂肪面積112㎠、皮下脂肪面積237㎠)だった。
平均身長の記載はない。

ちなみに、プラセボ群のBMIは25以上30未満、平均体重は73.5㎏、平均ウエスト92.9㎝、平均腹部総脂肪面積323㎠(内臓脂肪面積114㎠、皮下脂肪面積224㎠)だった。

1日9000歩前後の運動(英文の論文より多い)とエネルギー摂取量1日2000 kcal前後という通常より多い運動をし、エネルギー摂取量が制限された条件で行われている。

試験の結果は、葛の花イソフラボンの成分であるテクトリゲニン類を1日34.9㎎摂取した被験者群が、12週間で体重が1.1㎏減り、プラセボ群は0.1㎏減って、その差が1㎏。ウエストは被験者群が0.9㎝減、プラセボ群が0.1㎝減で、その差が0.8㎝。腹部総脂肪面積は、被験者群が36㎠減り、プラセボ群が15㎠減り、その差が20㎠だったという内容だ。

体重が約74㎏、ウエスト約93㎝ある人が毎日9000歩歩き、1日の摂取カロリーを2000 Kcalに制限して12週間飲み続け、体重が1.1㎏、ウエストが0.9㎝減った。その差は1日の誤差の範囲であると、試験結果が適切に伝えられた場合に、消費者はこの商品を果たして選択するのだろうか。

トクホ関与成分で許可
ウエスト気になる方の許可疑問

 東洋新薬からの申請に基づき、葛の花エキスを関与成分としたトクホ (特定用保険食品)は 2016年3月2日に許可され、「お腹の脂肪が気になる方、お腹周りやウエストサイズが気になる方、体脂肪が気になる方、肥満が気になる方に適した食品」とされている。

トクホの場合は根拠資料が公表されていないが、根拠資料が上記の論文だった場合は、なぜ、ウエストサイズが気になる方への表示が許可されているのか疑問が残る。肥満でなくてもウエストサイズを気にしている人は多い。肥満ではない人のデータはない。

機能性表示食品への届け出が行われた後で、東洋新薬からトクホの許可申請が出され、現在東洋新薬の8商品でトクホが許可されている。しかし、実際には販売されておらず、販売予定も示されていない。機能性表示食品として、45商品が販売されている。

「機能性成分の効果の程度」
消費者分からないまま商品選択

 政府の規制改革会議は、事業者の届け出資料の簡素化の検討を求めているが、消費者庁のデータベースを検索しても、公表されている届け出資料から、一般消費者は、試験の対象者の詳細や前提条件を知ることすらできない現状がある。商品選択に不可欠な機能性関与成分の効果の程度が分からない。

さらに、一般消費者が消費者庁のデータベースを検索してから、商品を選択することは想定しがたい。

事業者の責任で、機能性関与成分の効果をうたって販売している商品に、機能性関与成分の効果の程度や、どのような人を対象としている商品かが、正しく記載されないまま販売されているおかしな現状がある。

しかも、ウエスト90㎝を超える人たちの試験結果しかないにもかかわらず、自分にも効果があるように誤認させている。期待した効果がないものを買わされたのでは、金銭被害につながる。日本の食への信頼を揺るがしかねない。制度の見直しが求められる。

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ニッセン、太田胃散

ありがとう通販は 販売中止

 措置命令を受けた16社のうち、ニッセンと太田胃散、ありがとう通販はすでに販売を中止している。スギ薬局は、販売を一時中止し、要望がある人には販売を続けている。

 テレビショッピング研究会とCDグローバルは、今後の販売について「検討中」と回答している。返金対応では、販売した商品全品を返金する措置を講じたのはニッセン1社にとどまっている。

 ニッセンは「顧客に真摯に適切に対応する」との方針から、9月1日から6日かけて購入者全員 1136人 に会社から連絡をし、全額返金する措置を取った。商品も本年5月に販売を中止している。

全品返金ニッセン1社
返金対応に各社で差 

太田胃散も6月には販売を中止し、「顧客から要望があった場合は返金する」と話している。

ありがとう通販は今年2月に新規顧客への販売を中止し、8月末にはすべての販売を打ち切った。希望者への返金にも対応している。「措置命令を真摯(しんし)に受け止め、反省している」とし、「機能性関与成分がトクホの関与成分ということもあり、消費者利益に資するものをということで手がけた経緯があり、困惑・混乱しながら対応した。根拠論文の精査まで事業者が対応するのは難しく、より良い方向に行くきっかけになってほしい」と話す。
 
 多くの事業者は申し出た顧客には返金に応じると回答しているが、それぞれの対応には差がある。申し出た顧客にはすべて返金すると回答した事業者、原則未開封の商品に対応するとした事業者、商品自体に問題はないため、説明しても納得できない場合や強い希望があった場合に返金すると回答した事業者など、事業者によって、受け止めや返金の対応に差があった。

ステップワールド、ハーブ健康本舗
取材に応じず

「ヘラスリム」を販売するステップワールドは、電話取材には応じずメールでの対応を求めたが、メールで質問を送付し何度回答を求めても1週間たっても回答は着ていない。

「シボヘール」を販売しているハーブ健康本舗は、「今は担当者がおらず、終日帰ってこない」「担当者がいつ帰るかわかる人間がいない」などの回答を連日繰り返し、その対応がマニュアル化されている。これら2社の対応は、過去に取材してきた悪質業者と酷似している。

さまざまな事業者が機能性表示食品を取り扱っている状況があることがうかがえた。
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「個人の感想」「個人差あり」 表示の効果打ち消せず

 今回の措置命令では、「ウエスト53㎝のパンツがはけたときは、本当に驚き」「ウエストが細くなった!友人からも大絶賛」などの個人の感想を掲載し、「※個人の感想です」「効果を保証するものではありません」などと記載しても、その表示から受ける認識を打ち消すものではないとして11社の違反を認定している。

11社で違反を認定
「打消し表示」の考え方実践

違反が認定されたのは、「ウエストが細くなった!友人からも大絶賛されました。ウエストが細くなっていくのを実感できるんですよ。本当にびっくりしました」などの感想の後に「※個人の感想であり、実感には個人差がございます」と記載した場合。

「夢のワンサイズダウン」「もう隠さなくて大丈夫」「毎月1㎏ずつ減ってきているんです。ぽっこり、ぶよぶよだったお腹にくびれが・・・」と個人の感想を記載した後に「※使用感には個人差があります」と記載した場合。
くびれのある細見のウエストの写真とともに「ズボンをスラっと履けるのが、こんなに快感だったなんて!」と記載し「※2:上記臨床試験結果は平均値であり、すべての方に効果を保証するものではありません」等と記載した場合など。
 
 消費者庁は7月に「打消し表示に関する実態調査報告書」をまとめ、この中で、体験談を用いる場合の留意事項を示していた。食事や運動など必要な事項がある場合や、BMIが25以上など特定の条件の者しか効果が得られない場合、体験談を用いることで、だれでも効果が得られるような認識を抱くとして、事業者が行った試験の被験者の数や属性、体験談と同じような効果や性能等が得られた人が占める割合、得られなかった人が占める割合などを明瞭に表示すべきとしていた。

今回の措置命令は、実態調査報告書で消費者庁が示した景品表示法上の考え方を、個別の行政処分に初めてつなげた事例ともいえる。今後も、この考え方に沿って、広く個別事案の処理につなげていくことが期待される。

                        日本消費経済新聞11月15日号から



2017年10月7日土曜日

消費者庁天下り問題⑬ 「ジャパンライフ被害対策中部弁護団」結成

「ジャパンライフ被害対策中部弁護団」(杉浦英樹弁護団長)が9月27日、結成された。消費者庁から2度の業務停止命令を受けたジャパンライフ社(本社、東京都千代田区)と、個別の解約交渉に取り組み、契約金額全額(払い戻し分除く)を一括で返金させてきた。消費者庁の指導で、同社の2016年度末の純資産額が約339億円の赤字であることが顧客に通知されたことから、高齢者への周知など、新たな被害防止のための対策にも乗り出す。弁護団の相談電話番号は、0566-73-0770 (深津法律事務所内、事務局永田有香弁護士)。相談は無料。本人だけでなく、家族や福祉関係者からの相談も可。

ジャパンライフ社は、高齢者を中心に、100万円から600万円の磁気治療器の「レンタルオーナー制度」を全国展開し、消費者庁から2度の業務停止命令を受けている。販売してレンタルしているはずの一部商品が8割程度実在していなかったこと、負債を過少申告していたことなどが違反認定された。本年12月16日まで、預託取引、訪問販売、連鎖販売取引の一部業務停止命令が出されている。

2度目の業務停止命令と併せて、公認会計士などによる外部監査を受けて損結果を顧客に通知するよう措置命令が出されていたが、消費者庁の指導で、ようやく8月29日付、9月11日付で同社から顧客に文書が通知された。2015年度末の純資産額が約266億円の赤字、2016年度末の純資産額が約339億円の赤字であることが明らかにされた。

「ジャパンライフ被害対策中部弁護団」は、愛知県弁護士会消費者委員会に所属する弁護士の有志らで組織された。他の地域の弁護士にも広く参加を呼びかけている。

愛知県内の80歳代の女性は、友人にジャパンライフの代理店に連れて行かれ、「腰がよくなる」などと言われ、磁気ベルトの体験をさせられた。その後、代理店の人が自宅に来るようになり「預貯金より利率がいい」「レンタルユーザーが殺到している」などと勧誘され、2010年から2015年にかけて30回以上、約1億円を契約している。

愛知県内の70歳代の女性は2014年ころ、町内会の知人に誘われ、ホテルのセミナーに参加したのがきっかけだ。3年のうちに10回以上契約し、5000万円を支払った。受け取るはずのレンタル料の3分の2を「積立て手帳」に積み立て、新たな契約代金に充当されている。契約が複雑で、本人が総額でいくら払ったのか分かっていなかった。 
いずれも、家族が気づいて相談している。

特定商取引法の「重要な事実の不告知」(レンタルしているはずの商品の数が大幅に不足し、契約通り割り当てる商品がないにもかかわらず、故意に告げていない)が違反認定されている。このため、法律上は、契約の取り消しが可能だ。

杉浦英樹弁護団長は、「契約者のほとんどが高齢者で、会社が破たんした場合は、月々のレンタル収入だけでなく、預けていると思っているお金も戻らないことが、十分認識されていない。約2000億円の被害が出た豊田商事(現物まがい商法)事件では、中坊公平弁護士らが奮闘してなお、投資家に戻ったお金は1割程度に過ぎない。現物がない点で、仕組みは豊田商事と変わらない。新たな被害を生じさせてはいけない。被害救済だけでなく、そのための対策にも取り組むために、対策弁護団とした。新たな被害を生まないよう頑張るのが弁護士で、人として当然」と話している。

弁護団のホームページは、https://japanlifehigai-chubu.amebaownd.com/

2017年9月16日土曜日

消費者庁天下り問題⑫ ジャパンライフ 339億円の赤字(債務超過)

 ジャパンライフの純資産額は、平成27年度末で約266億円の赤字、平成28年度末では約339億円の赤字-。こんな通知が顧客に届いていたことが分かった。消費者庁が3月16日、2度目の業務停止命令を出したジャパンライフに対し、「公認会計士による外部監査を受け、その結果を顧客に通知する」よう措置命令を出してから半年。ようやく、適正と思われる財務データが投資家に届けられた。「何カ月も粘り強く指導し、ようやく通知を出せた」と消費者庁長官は説明した。投資家に気づいてもらうしかないということだろうが、新たな勧誘が行われており、この事実を、顧客だけでなく、広く一般消費者にも伝えてほしい。

顧客に届いた通知文の主な内容は以下

①    平成27年度末時点での純資産額(会社の資産から負債を引いた金額)
約266億円の赤字(債務超過)

平成28年度末時点での純資産額(会社の資産から負債を引いた金額)
   約339億円の赤字(債務超過)

②    平成27年度末時点で顧客から預かっている商品の総額
(預託等取引契約の契約価額で、債務の額。負債科目に「預かり特定商品」または「長期預かり特定商品」として計上すべき額)
    約1688億円
   ⇒平成27年度決算時点で、会社が将来支払う義務がある預託等取引契約の負債額(例えば、契約を解除した場合の返金額など)が約1688億円になる
  
③    平成28年度末時点で顧客から預かっている商品の総額
(預託等取引契約の契約価額で、債務の額。負債科目に「預かり特定商品」または「長期預かり特定商品」として計上すべき額)
    約1843億円
   ⇒平成28年度決算時点で、会社が将来支払う義務がある預託等取引契約の負債額(例えば、契約を解除した場合の返金額など)が約1843億円になる

「会社の計算書類全体の修正は、なお時間を要する見込みで、完了時期は早くても平成31年6月末となる予定。当面の措置として、決算整理仕分けのうち、根拠を示すことができない仕訳を取り消し、公認会計士の確認を受けた」と説明している。

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 8月28日付で、ジャパンライフから顧客におくられた文書(9月6日入手)を添付しておく。

 6月に顧客に送られた文書は「意見不表明」だった。

 『上場企業であれば上場を廃止されるほど信用できない監査内容』ということだが、何の説明もなく、分かりにくかった。しかも、具体的な財務状況は何ら分からなかった。

 その点からすれば、今回の文章は、大きな字で、分かりやすく説明されてはいる。

 消費者庁取引対策課は、「ほかにも何通か文章が送られているが、大きな字で分かりやすい文章にするために時間がかかった」と説明している。

「顧客に正確な情報を提供し、正当な権利行使ができるよう指導してきた。誰よりも先に顧客が知ってしかるべき情報。財務データを認識していただき、それを踏まえて、消費者としてしかるべき権利を行使してほしい」と、話している。

消費者庁は、ジャパンライフ社に対し、昨年12月16日に3カ月の一部業務停止命令を

本年3月16日には、引き続き9カ月の業務停止命令を出している。

ただし、業務停止命令が出ているのは、訪問販売、預託取引、連鎖販売(マルチ)取引のみ。店舗販売は可能で、同様の取引を業務提供誘引販売取引として勧誘した事例も把握できている。

本来なら、消費者庁は粉飾決算を自ら認定すべきだった。

公認会計士等による外部監査結果の通知を求めた措置命令から半年経ってようやく、純資産額の債務超過が300億円を超え、解約をされた場合の返金額(一部商品を返還するとされている契約も含む)が1800億円を超えることが明らかにされた。
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アクセス数が急増しているため
以下詳細情報追加します。

9月13日付で消費者庁取引対策課が各都道府県、各市町村消費生活センター宛てに出した文書を追加しておく。

9月11日付でジャパンライフが顧客に送付した文書(9月14日入手)では、平成28年度末時点での純資産額が約338億円の赤字と、数字を切り捨てて報告しているが、

13日付の消費者庁取引対策課の文書は▲339億円としている。

正確な数字は338億7674万9000円

 
根拠となる数字は、顧客に送付された「宮坂杉雄公認会計事務所公認会計士からジャパンライフ社取締役会宛ての報告書に示されている。
 
正式名称は「独立業務実施者の合意された手続実施結果報告書」
平成19年3月期から平成29 年3月期に係る決算整理仕訳のうち、仕訳の根拠を示すこ とができない仕訳を取り消したことを報告し

その結果、平成29 年3月期に係る純資産合計額が▲33,876, 749 千円となることを確認したと報告している。正式な数字は338億7674万9000円ということになる。

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さらに、顧客には預託法に基づく「閲覧に供する書類」として、
「月次保有状況表」が送付されている。その内容を分析すると以下になる。
 消費者庁が指導に入ったとみられるが、10日でかなり数が変わっている。

7月31日作成分
 平成28年8月末 預託契約残高 13万1364個  1835億3564万2000円
         実際の預託数 5万5534個   648億7897万4000円
         在庫      ー         ー

 8月10日作成分 
 平成28年8月末 預託契約残高 13万1364個  1835億3564万2000円
         実際の預託数 3万261個    366億7927万円
         在庫      ー         ー 


 7月31日作成分
 平成29年3月末 預託契約残高 13万4227個  1843億3855万4000円
         実際の預託数  6万8075個   721億0794万1000円
         在庫      ー         ー
 8月10日作成分 
 平成29年3月末 預託契約残高 13万4227個  1843億3855万4000円
         実際の預託数 4万2613個    428億6848万4000円
         在庫      ー         ー 

 8月10日作成分  
 平成29年7月末 預託契約残高 13万2964個  1714億7035万4000円 (←お詫び、修正)
         実際の預託数 2万6559個    100億7725万3000円
         在庫      ー         ー 

預託者数 平成29年3月末時点 7130人
     平成29年7月末時点 6855人

この数字、どの程度信頼性があるかは不明だが、
この資料からしても、レンタルオーナー契約をしている数に比較して、実際にレンタルされている電磁治療器の数は、大幅に不足していたことになる。

安愚楽牧場の破綻を受け、預託法の政省令を改正して預託数を書かせることとしたが、工業製品の場合、実際に商品があるかどうか確認するのが困難だ。レンタルユーザーの数を合わせて書かせるように改正しておくべきだったと考えられる。

また、一覧表で記載される内容を、一般の消費者が理解するには難しすぎる法律用語が使われ、高齢な投資家がどこまで把握できるのか疑問だ。

当時、取引対策課に解説してもらったので、紹介しておく。
預託法施行規則 様式第9「月次保有状況表」
(抜粋)
A  預託等取引契約の目的となつている特定商品及び施設利用権(預託等取引
契約が締結されている特定商品及び施設利用権)に係る、次のa及びbの事
項
a  預託等取引業者が預託を受けている特定商品及び管理している施設利用
権の契約残高
b  預託等取引業者が預託を受けている特定商品及び管理している施設利用
権の実地たな卸
B  預託等取引業者が保有する預託等取引契約の目的となつていない特定商品
及び施設利用権(すなわち、預託等取引契約の対象資産となる在庫)の実地
たな卸
C  預託等取引業者が保有する預託等取引契約の目的となつている特定商品及
び施設利用権(Ab)並びに預託等取引業者が保有する預託等取引契約の対
象資産となる在庫(B)の実地たな卸の合計
           ↓ ↓
Aa 預託の「契約」残高
 Ab 実際の預託を受けていて、実際に調査して明らかにされた在庫
 B 今は預託を受けていないが、(将来の)預託契約の対象となる在庫(いわゆる手元の在庫)
  となると考えられ これに基づいて上記に示した。


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以下 日本消費経済新聞9月25日号


ジャパンライフ 339億円の赤字
措置命令から半年、ようやく顧客に通知

消費者庁から1年間の一部業務停止命令を受けた「ジャパンライフ」の純資産額は、2015年度末で約266億円の赤字、2016年度末では約339億円の赤字-。こんな通知が、同社から顧客に送られていたことが9月13日、明らかになった。消費者庁が2度目の業務停止命令と同時に、公認会計士等による外部監査を受け、その結果を顧客に通知するよう措置命令を出してから半年。ようやく修正された財務データが投資家に届けられた。岡村和美消費者庁長官は、「強力に同社に働きかけ、ようやく顧客に伝えるところまで来た。行政庁としては、同社の通知の範囲で事実関係を明らかにすることしかできないが、この事実を日本中に届けてほしい」と述べた。同社への相談の最高契約額は5億円。平均契約額は約2350万円とあまりに高額だ。契約者の8割が70歳以上で、友人や知人などから紹介され、もうかっていると洗脳状態にあるケースが少なくない。自分の資産が本当に増えて手元にあるのか、これまでの契約を振り返り、勇気を出して消費生活センターや、弁護士に相談をしてほしい。(相川優子)

勇気を出して相談を
預かり商品の負債額 1843億円
 
 顧客に送付された通知文には、ジャパンライフ社の純資産額(会社の資産から負債を引いた金額)は、2015年度末で約266億円の赤字、2016年度末では約339億円の赤字(債務超過)であることが記載されている。
顧客から預かっている商品の総額は、2015年度末で約1688億円、2016年度末で約1843億円に上ることも記載されている。
岡村消費者庁長官は、この額について「預託等の取引契約の契約価額で、債務の額」と説明した。顧客に送られた通知文では、「負債科目に『預かり特定商品』または『長期預かり特定商品』として計上すべき額」「会社が将来支払う義務がある預託等取引契約の負債額(例えば、契約を解除した場合の返金額など)」などとも、説明されている。
5月29日付でジャパンライフから顧客に送付された通知は「意見不表明」とされていた。 「上場企業であれば上場を廃止されるほど信用できない監査内容」ということだが、何の説明もなく、分かりにくかった。しかも、具体的な財務状況は何ら分からなかった。
この点からすれば、文字も大きく、分かりやすく記載されている。

通知の範囲内で公表
「債務超過認めて通知」

ただし、巨額の債務超過であることは分かるが、なぜ経営が続いているのか。ジャパンライフのレンタルオーナーへの支払額と、レンタル収入の収支はどうなっていたのか。ビジネスとして成り立っていたのかなどは、いまだに明らかにされていない。
これらを問う質問に、岡村消費者庁長官は「会社も行動をとったので通知に入っている範囲内で公表できるが、事業者と契約当事者と関係があるので、行政庁として許される発表の範囲に限度がある」とし、回答していない。
ジャパンライフから顧客に届いた通知文には、「会社の計算書類全体の修正は、なお時間を要する見込みで、完了時期は早くても平成31年6月末となる予定。当面の措置として、決算整理仕分けのうち、根拠を示すことができない仕訳を取り消し、公認会計士の確認を受けた」とも説明されている。
では、「詳細な財務データは、31年度まで待つのか」。この質問に対し、岡村消費者庁長官は「そうではない。少しでも早くより正確なものを出すよう何度も指導し、今日に至っている。先に延ばそうとしていること自体に問題がある。ビジネスとして成立しているかどうか。債務超過であることを認めて通知している」と、ぎりぎりの説明をしている。

取引対策課、各地センターに
正確な情報提供要望

消費者庁取引対策課は、9月13日付で、各地の消費生活センターに対し、正確な情報提供を求める文書を出している。
「消費者庁の指導を受けて、同社が、過去の根拠を示すことができない会計処理を取り消し公認会計士の確認を受けた結果、ジャパンライフ社の純資産額が2015年度末で約266億円の赤字、2016年度末では約339億円の赤字(債務超過)になった。同社から顧客に通知されている」と報告している。
この結果は、「会社全体の純資産額について公認会計士が会計監査と同様の手順で意見を表明して保証したものではない」とのただし書きを付けながらも、この通知を受けて、多数の問い合わせが寄せられることが予想されるとして、消費者から相談があれば「消費者に正確な情報提供を行うとともに、助言・あっせん機能を積極的かつ適切に果たす」ことを求めている。
消費者庁取引対策課によると、「顧客に正確な情報を提供し、正当な権利行使ができるよう粘り強く指導してきた」という。「ほかにも何通か文章が送られているが、大きな字で分かりやすい文章にするために時間がかかった」と説明した。「誰よりも先に顧客が知ってしかるべき情報。財務データを認識していただき、それを踏まえて、消費者としてしかるべき権利を行使してほしい」と、話している。

ジャパンライフの相談本年度123件
平均契約金額2350万円と高額
 全国の消費生活センターなどに寄せられるジャパンライフへの相談件数は、2016年度は170件。2017年度は、9月20日時点で、4月13件、5月26件、6月52件、7月16件、8月15件、9月1件という状況だ。6月は、ジャパンライフから「意見不表明」の通知が届いたことで増えたと見られる。相談内容が入力されるまでに2週間程度かかるが、マインドコントロールされていると見られる高齢で、高額な契約者に、この通知の内容の重大性が十分に理解されているのか疑問が残る。
 平均契約金額は2016年度が約2250万円。2017年度は約2350万円(9月20日時点)。
最高契約額は5億円で、同社が5月に実施した2017東京国際大会では2億円以上の契約者が24人になったと報告していた。契約額があまりに高額だ。339億円の赤字という現実を、受け止め切れない状況があるように見える。

過去の複数契約振り返り相談を
資産本当に増えて手元にあるのか

「お金を預けるともうかる」「利子で暮らせばいいよ」などと、友人や知人に誘われ、生命保険を解約したり、農協の定期預金を解約して、老後の命金をつぎ込んでいる人が少なくない。高額な契約者が多く、毎月入ってくるレンタル料あるいは月額活動費で、複数の契約を重ねている。毎月一定の収入が入ってくるが、それは預けたお金が手元にきているだけではないのか。本当に自分の資産が増えて、手元にあるのか。気づいたら手元に残っているのは磁気治療器だけということになっていないのか。消費生活センターや弁護士が間に入ると解約には応じているが、億を超える契約だけでなく、1000万円超の契約でも、分割払いで対応されている。
これまでの契約を、冷静に振り返って、勇気を出して、身近な消費生活センターや弁護士に相談をしてほしい。自分の母親が親せきや近所の人を誘って、加害者になることを心配する声も寄せられている。
80歳以上の高齢者の相談が4割を占める。高齢者の相談が埋もれる典型例で、家族や周りの人からの相談が多いのも特徴だ。高齢者の身近かにいる人の見守りにも期待したい。

違反認定の甘さ影響
悪質性伝えられたのか

消費者庁の初動の遅れと違反認定の甘さ、公表のまずさがは、いまだに大きく影響しているのは否めない。消費者庁長官が会見で質問に答え、この事実を明らかにしても、全国紙もテレビもどこも報道していない。「これまで書いていないので、書きにくい」と、ある記者はこう話した。当初から悪質性が十分に伝えられたとは言い難い。
外部監査を命じるのではなく、消費者庁自ら粉飾決算を認定すべきだった。預託の本丸は、レンタルされている商品とレンタルしている商品の数が見合い、収支が取れているかどうか。最初からビジネスとして成立しているかどうかを明らかにし、伝えておくべきだった。これらは本来備え付け書面に記載してしかるべき事項で、さらなる政省令改正が求められる。安愚楽牧場の破たんを受けた対応が不十分だったと言える。消費者庁の過去の対応は決して評価できないが、今後、挽回できるかどうかが問われる。
ジャパンライフの勧誘は、今も行われている。同様の取引を業務提供誘引販売取引として勧誘していると見られる。高額契約者の複数契約も進んでいる。措置命令が求めた外部監査報告の提出期限は5月だったが、半年かかってようやく、破たんすれば大きな被害につながる具体的な額が明らかになった。
過去の大規模消費者被害には、安愚楽牧場4300億円、豊田商事2000億円、L&G(円天)1260億円、ワールド・オーシャン・ファーム849億円などがある。安愚楽牧場は国賠訴訟中だが、破たんした場合、投資額はほとんど戻っていない。 

ジャパンライフは、事実確認や相談状況などの取材に対し「お答えすることはできかねる」として、回答していない。