2016年8月19日金曜日

消費者庁徳島移転問題 日弁連が会長声明「移転直ちに断念すべき」

 日本弁護士連合会は8月18日、消費者庁、国民生活センター、消費者委員会の徳島移転を直ちに断念すべきとする会長声明を公表した。政府の「まち・ひと・しごと創生本部」の取りまとめは、「3年後見直し」ではなく、移転しないという結論を明記すべきとした。12日の全国消費者団体連絡会に続き、全国消費生活相談員協会、主婦連合会、全国消費者行政ウォッチねっとも相次いで意見書を提出。いずれも、3年後見直しではなく、消費者庁等の徳島移転断念を明確に打ち出すことや、移転の白紙撤回を求めている。

日本弁護士連合会会長声明
「移転は直ちに断念すべき」

消費者庁、国民生活センター、消費者委員会の移転については、直ちに断念すべき。
政府の「まち・ひと・しごと創生本部」の取りまとめは、
「3年後見直し」ではなく、移転しないという結論を明記すべき。

「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」の設置は、
現在の機能と体制を維持した上での追加措置であればともかく、
消費者庁等の機能低下を招来するものであってはならない。

政府は、消費者庁、国民生活センター、消費者委員会の地方移転問題を早期に終結させて、
消費者庁が本来の業務に注力し、数々の立法課題や、高齢者の消費者被害やインターネット被害などの喫緊の課題の解決に向けて全力で取り組み、具体的成果をあげられる環境を整えるべき(中本和洋会長声明、8月17日付)

消費者団体からの意見
全国消費者団体連絡会
3年後見直しは白紙撤回すべき」
消費者庁、国民生活センターは、移転試行の結果を速やかに公表すべき。
 ・移転試行期間中に生じた課題について、定性的・定量的に整理し、公表すべき。
 ・特に、移転の試行を行うことによって、通常業務にどれだけの支障があったのか、なかったのかを明らかにすべき。
 ・試行に要した費用は国民の税金であることを踏まえると、どれだけのコストがかかり、どこから捻出されたかも説明すべき。

②「3年後の見直し」は白紙撤回すべき。
 ・移転による弊害や問題点を上回る必要性や効果が見い出せたとは到底言えず、それ故、消費者担当大臣としても移転検討の先送りという判断をしたと考えられる。
 ・引き続き移転問題への対応を余儀なくされることで、消費者庁や国民生活センターの機能は低下し、消費者行政の後退につながることは明白。

③「消費者行政未来創造オフィス(仮称)」の具体化は、消費者庁等の現有体制の追加措置として進めるべき。
・消費者庁が果たすべき消費者行政の本来機能の充実こそが求められている。
・現状では対応できていない最先端技術がもたらす課題等への取り組みなどに対しては、新たに人材・予算等が上乗せで講じられるべき。
・消費者庁、国民生活センター、消費者委員会の地方移転を早期に白紙撤回し、各機関が、 
 腰を据えて消費者問題解決のために力を発揮することを強く望む。(812日付)

全国消費生活相談員協会意見
「3年後の見直しではなく、移転止めるべき」

①試行結果を公表し、その結果を踏まえ、検討結果の結論を全消費者に速やかに公表を。
  ・試行結果が公表されないまま、移転検討を3年後に先送りする結論が公表されるのは
   消費者として納得できない。

②3年後の見直しではなく、移転業務のすべてを取り止めるべき。
  ・試行したというが、消費者庁の主たる業務である危機管理、司令塔機能(他省庁調整)、
   国会対応、法執行業務の試行自体が実施されていない。

③「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」の具体化は、いったん白紙に。
  ・新たな事業となれば、新オフィス設置を望む意欲的な自治体も新たに出てくるのではないか
  ・移転問題と切り離し、新たな課題として考えていくべき。(8月17日付、公表18日)

主婦連合会
「3年後の移転検討先送りに断固反対」

①消費者庁、国民生活センター、消費者委員会の徳島県への移転断念を明確に打ち出すこと
   試行の結果、全面移転が見送られたことが今回の結論であるはず。
   徳島県からの提案のみ3年後まで検討を先送りするのは、公平性、公正性、透明性欠く
   血税を使って試行したい以上、当然説明責任あり・
   試行で明らかになった事柄、試行を行うことすらできなかった業務内容を明らかに
  し、早急に全面移転断念の結論を明確にせよ。

「消費者行政新未来オフィス(仮称)」の設置は移転問題と切り離し、
  新たな予算と人員確保を
  全面移転の白紙撤回が大前提。
  消費者庁、国民生活センター等の現行の業務をいささかも低下させてはならない。
  新たな予算と人員を確保し、新しい消費者行政の創出の実現であれば賛成。
                             (8月18日付)
全国消費者行政ウォッチねっと
「徳島移転の白紙撤回を」 

 政府は徳島移転について、3年後の移転見直しではなく、ここで一旦白紙撤回すべき
 
 現時点で、試行の詳細な結果や試行に要した予算が明らかにされていない点も疑問
 試行に関する情報を全て公開し、説明責任をきちんと果たすべき
  
 「消費者行政新未来オフィス(仮称)」
 3年後の移転の足がかりとしての性格があるのであれば、それ自体が消費者行政の停滞
  を招く危険をはらむ。断固反対する。
  移転問題と明確に切り離し、消費者庁・国民生活センターの機能を一歩たりとも後退させな
  いことが設置の絶対条件。(8月18日付)
 
追加
消費者支援ネットくまもと
3年後見直しと新オフィスは、白紙撤回すべき」

①消費者庁、国民生活センターは、移転試行の結果を速やかに公表すべき。
 ・移転試行期間中に生じた課題について、定性的・定量的に整理し、公表すべき。
 ・特に、移転の試行を行うことによって、通常業務にどれだけの支障があったのか、なかったのかを明らかにすべき。
 ・試行に要した費用は国民の税金であることを踏まえると、どれだけのコストがかかり、どこから捻出されたかも説明すべき。

②「3年後の見直し」と「消費者行政未来創造オフィス」の取り組みは白紙撤回すべき。
 ・移転による弊害や問題点を上回る必要性や効果が見い出せたとは到底言えず、それ故、消費者担当大臣としても移転検討の先送りという判断をしたと考えられる。
 ・引き続き移転問題への対応を余儀なくされることで、消費者庁や国民生活センターの機能は低下し、消費者行政の後退につながることは明白。
 ・「消費者行政未来創造オフィス」の取り組みについても、消費者庁が果たすべき消費者行政の本来機能の充実を損なうものであれば、中止すべき。(819)



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