回収品に「アクリフーズ群馬工場」記載ない
製造所固有記号の代替え表記で10品目
消費者に判別できず
表示方法の見直し必要
「J796」「VGA」「SFA25」―。これが何の記号が分かる人がどれだけいるだろうか。
アクリフーズ群馬工場で製造された冷凍食品に農薬が混入された問題で、12月29日から回収された49商品の中に、「アクリフーズ群馬工場」の記載がない商品が10品目あった。
販売業者が製造を他の工場に委託した場合などに、例外的に、「製造所固有記号」による代替表示が認められているためだ。
しかし、消費者には、この記号が「アクリフーズ群馬工場」であることは分からない。リコールをかけても回収商品であることが分からない。この記号では、いざというときに一刻も早く消費者に知らせるべき最も重要な情報が消費者に届かないことが、今回の事件で浮き彫りになった。表示方法の見直しが求められる。
食品衛生法では、最終的に衛生上のリスクが発生する製造や加工する場所を、表示欄に記載することが義務付けられている。ただし、表示面積が小さいなどの理由から、例外的にあらかじめ消費者庁長官に届け出た製造所を表す記号「製造所固有記号」に代えることができる仕組みがある。
①製造を他社の製造所に委託している販売者が、自社の名称、所在地を表示する場合②自社工場が多く、本社の名称、所在地を記載する―場合などだ。簡易な加工、乳・乳製品の製造には認められていない。
「表示面積が小さい場合にも記載できるメリットがあり、各地の保健所が消費者庁のデータベースから製造した場所が分かる仕組みになっている」と消費者庁は説明する。アラビア数字、ローマ字、平仮名、片仮名の組み合わせで、販売者と製造者が独自に決め連名で消費者庁長官に届け出る。その数は約80万個に上ると見られる。
消費者は、これらの届け出を受けた消費者庁や事業者から知らされない限り、どこで製造されたのか分からない。
消費者が危険を回避できるための表示が何より必要なことが改めて突き付けられた。見直しが急がれる。
「アクリフーズ群馬工場」の製造所固有記号
イオン J796
バロー VGA
合同会社西友 SFA25
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森雅子消費者相発言
1月14日閣議後会見
「製造所固有記号を廃止する考えはあるか」との質問に
制度全般の見直しを事務方に指示をした。
消費者、事業者の意見をうかがいながら、
製造所固有記号制度のあり方を検討してまいりたい。
食品表示法に基づく食品表示基準の検討の中で、
消費者事業者の意見を聞きながら、
こういった事件が起きた時の情報の提供のあり方についてしっかり検討していきたい。
1月21日閣議後会見
PB商品の一部で表記の代わりに製造所固有記号が記載されていて消費者にとっては「アクリフーズ」の記載がなく分かりにくい状況にある。
今後こういった事件が起きた時に、どのように迅速に注意喚起をしていくか問う観点から検討するよう指示をした。
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